原田隆史著 「カリスマ体育教師の常勝教育」 -- 思いと行動

先日、甥が大学を卒業するにあたり、就職希望先の会社に提出する「自己PR文」の書き方について相談を受けたのですが、色々と話している中で口をついて出たのはこんな言葉でした。

思いと行動

自分で話しながら、「ああ、本当にその通りだな」って強く強く感じたんです。結局、すべてがこのシンプルな言葉に集約されるような気がしています。

人生に起こる(起こそうと思う)すべてのことが「思い」からスタートし、「行動」で完結する。「思い」無しには何事も始まらないし、「思い」があったとしても「行動」が伴わなければ、その「思い」が成就することは金輪際あり得ないでしょう。

あれが欲しい、こういう人に成りたい、こんな人生を送りたい。そして、それを手に入れるためにどうすればいいのか。

「思いと行動」を一言で表すと、「目標設定」という言葉になるのかもしれません。

荒れた学校を陸上競技で日本一に

「目標設定」というと、一番最初に思い浮かぶのは原田隆史さんの著作です。何冊か出版されている中から、今回は 「カリスマ体育教師の常勝教育」を紹介してみたいと思います。

常勝教育この本も、昨日紹介したジム・ドノヴァン著 「できる人の習慣」 と同様、第1版が2003年と少し古い本ですが、内容的に古臭く感じることは全くないと思います。

「目標設定」に関する本は、それこそ山のように出版されていますが、それらの多くは著者自身の経験や体験をベースに、「こうすれば出来る」という内容のものだと思います。

どんなに著者が、「こんな自分でも出来たのだから、あなたにも必ず出来ますよ」と力説されても、読む身にとっては、「あなただからこそ」できたんでしょって感覚に成り勝ち。

著者である原田さんの特徴は、それを教師としての立場から教え子である中学生に対して指導し、そして結果を出すのも中学生達である、という点なのではないかなと。

多くの問題(いわゆる「荒れ」です)を抱えていた大阪市立松虫中学校に保健体育の教師として赴任した原田さんは、生活指導の担当として、また陸上部の監督として子供たちを指導していきます。

その結果、7年間で陸上競技の個人種目で13回の「日本一」、約400校が参加する大阪府大会で12回連続の男子総合優勝、5回連続の男女総合優勝という実績を残したのです。

陸上競技場

何よりも「心の強さ」が大事

原田さんの指導は、別に特別なことではなく、目標設定とその目標に対する本人のコミットメント(絶対に目標を達成するという気持ち)が中心にあります。

原田さんは子ども達を日本一にすべく、様々な分野に回答を求めて学んでいきました。異業種にも学び、また多くの優勝者、勝利者を研究した結果、たどり着いた答えは「心」でした。

よくスポーツで大切なのは、「心・技・体」と言われますが、何よりも「心の強さ」が大事である、という気づきでした。大切なのは、技術よりも、身体能力よりも、「心」なんだと。

そしてその「心づくり」の教育の中心は、「態度教育」と「目標設定」です。

「態度教育」とは、「靴を揃える」、「椅子を入れる」、「鞄を立てる」というたった3つのことに加え、「元気で弾むような返事を相手よりも早くできるようになる」という単純なもの。いわゆる「身嗜み」です。

「割れ窓理論」ということを聞いたことがありますか。

これは、「たった一枚の割れた窓ガラスでも、人の心をすさませるものを放置すると街全体が荒れて犯罪が増える」という考え方です。

ニューヨークのジュリアーニ元市長の犯罪低減への取り組みの一つで、この「割れ窓理論」を治安の改善に応用し、同市の殺人発生件数を7年間で67%も減少させたのは有名な話です。

汚れた部屋や荒れた街にいるとどうしても人間の心はすさんできますが、逆にきれいに清掃してある場所にいると心が晴れやかになる。実に単純なことですが、身だしなみ、整理整頓といったことは、心の働きに大きく影響するのです。

松中の子ども達は、修学旅行に行っても、みんなで一斉に他校の生徒の靴も揃えてしまうそうです。

目標設定自体、「~を達成する」という「思い」がベースになっているわけですが、その「思い」を強化するというか、「思い」を支える “心” を強くするのが「態度教育」の役割なのでしょう。

「日本一になる」という目標を立てるのは簡単ですが、その目標をどこまでも追い求めて、何がなんでも日本一になるんだ!、そのために必要なことなら何でもやってやると覚悟を決めるのは、そう簡単な話ではないと思います。

結局、最後にものを言うのは「心の強さ」なのでしょう。



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