結婚式にいらして母が座るはずだった席に座って頂けませんか

今回紹介する話の原典が何なのか分かりません。同じモチーフで、微妙に内容の異なる話を何度か目にしているので、同様に読んだことのある方がいるかもしれません。

真っ先に感じたのは嫌悪感でした

9月の新学期が始まり、新しく担任を任されたクラスの子供たちが集まったとき、ジーン・トンプソン先生は彼らを見回しました。

並み居る子供の中でテディ・ストラードという少年を見たとき、彼女が真っ先に感じたのは嫌悪感でした。

なぜ自分がテディを嫌いだと思うのかわかりませんでした。もしかしたら常に不潔だったからかもしれない。あるいは、彼の体臭がきつかったからかもしれない。

彼の外見には数え切れないほどの欠陥があり、そしてその知性の方は大して望みを持てるほどのものではないと思われました。

学校にて

子供たちのテストを採点し成績をつけるときには、トンプソン先生はテディの不正解の答えに赤い×印をつけることでせいせいするのでした。

そして答案の一番上に、最低の成績を示す「F」と書き込むときなどには、報復的な気持ちで他の子供たちの答案よりも大きく赤々とした文字でそれを書き込んでいました。

中からビーズの欠けたプレスレットと安い香水の古ぼけた瓶が

クリスマスの時期に入ると、子供たちは次々に先生へのプレゼントを持参し、休暇前の最終日にクラスでパーティーを開き、期待でわくわくしながら先生がプレゼントを開けるのを見守っていました。

テディのプレゼントを手に取ったとき、先生はそれが普通の茶色い紙袋で包まれ、セロハンテープで止めてあるのに気づきました。

テディは茶色い紙袋をきれいな包み紙に見せようと、一面にクリスマスツリーや赤い水玉を描き、そしてそこには「トンプソン先生へ、テディより」という言葉が書き込まれていました。

先生がテープをはがして包みを開けると、中からいくつかのビーズの欠けたライトストーンのプレスレットと、半分くらい使われてしまっている安い香水の古ぼけた瓶が出てきました。

他の子供たちが忍び笑いをしたり耳打ちを始めた中、トンプソン先生はかろうじて自分が教師であることを思い出し、テディにそのブレスレットを自分の腕につけるのを手伝ってくれるように頼みました。

それから彼女はブレスレットのついた腕を掲げて、子供たちに「素敵だと思わない」と言いました。

そして香水をほんのちょっと手首にたらし「なんて素敵な香りかしら、みんなもそう思わない」と言ったのです。

子供たちはすぐに先生を見習って、それが素敵なプレゼントだと賛同しました。

パーティーが終わって、子供たちが次々と教室を出て行く中、テディだけは後に残り、教科書を胸に抱きしめながらひっそりとトンプソン先生のところへやってきました。

「先生はお母さんそっくりの香りがする」と彼は恥ずかしげに言いました。「それにお母さんのブレスレットも本当に先生によく似合います。気に入ってくれてよかった」。

それだけ言うと、テディは帰って行きました。

彼が教室から出て行った後、トンプソン先生はすぐにドアの鍵を閉めて、自分の机に座り、そしてどんな子供でも必要としているはずのもの --- 愛情を持って接してくれる教師 --- を自分がこれまで意図的にテディから奪っていたことを思い、そして泣きました。

新しい年が明けると、トンプソン先生は生まれ変わったような気持ちで新学期に臨みました。生徒のために自分の身を仕事に投じたのです。

彼女はテディがクラスの他の子達に追いつけるようになるまで個人指導を行いました。その結果、彼はその年クラスの平均点を上回る、かなり高い成績で進級することができたのです。

結婚式にいらして母が座るはずだった席に座って頂けませんか

その7年後、ジーン・トンプソンは彼女の人生に大きな影響を与えることになった3通の手紙の一通目を受け取りました。

【手紙その1】
「親愛なるトンプソン先生。
真っ先に先生に知らせたかったので手紙を書きました。僕は来月、全校生徒中第2位の成績で高校を卒業します。  敬具、テディ・ストラード」

【手紙その2】
「親愛なるトンプソン先生。
真っ先に先生にお知らせしたく筆をとりました。たった今、指導教授に呼ばれて、僕は今年の卒業生の主席だと知らされたばかりです。大学の勉強は楽ではありませんでしたが、楽しかったです。  敬具、テディ・ストラード」

【手紙その3】
「親愛なるトンプソン先生。
真っ先に先生にお知らせしたく筆をとりました。今日僕は医師資格を授与され、テオドア・J・ストラード医学博士となりました。すごいでしょ! そして結婚もします---正確には7月27日です。もしよろしければ、結婚式にいらして母が座るはずだった席に座っていただけませんか。父は去年亡くなったので、僕には家族がいないのです。  敬具、テディ・ストラード」

ジーン・トンプソンは結婚式に出席し、テディ・ストラードの母親が座るはずだった席に座りました。

一人の使命から他の人の使命へと

トンプソン先生は、“使命” という名の「自分の進むべき道」を見つけることができたんです。それはまた、テディ自身の使命へと繋がっていくような気がします。

人が人に出会うこと。これって、やっぱり人生の中で大きな役割を担っているように感じます。



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