マイク・カキハラ著 「ネットワークビジネス 9つの罠」 (2/3)

前回に続き、マイク・カキハラ著 「ネットワークビジネス 9つの罠」の後半部分のご紹介。

前半の「罠」に関しての話は、ネットワークビジネスを知らない人にとっては特段の益もなく、何のこと?って感じだったかもしれませんが、後半はネットワークビジネスと切り離しても面白いです。

ネットワークビジネスとは、マーケティングのビジネス

ところで、ネットワークビジネスの別称(正式名称?)である MLM という略称を知っていますか。これは、Multi Level Marketing のイニシャルをとったもので、日本語にすると「複数層に重なる人たちによるマーケティング」という意味になります。

ここで肝心なのは、最後の「マーケティング」という単語です。ネットワークビジネスとは、マーケティングのビジネスであるってことです。
マーケティング
前回紹介した、「うつぼメンバー」という素人の粗悪なセールスではなく、マーケティングのプロによるビジネスなんです。マーケティングとは、直訳すると「販売戦略プラン」となります。

ネットワークビジネスでは、よく「世界中すべての人が見込み客」という言い方をするそうですが(これも「罠」の一つ)、著者にとって本当の「見込み客」とは、「あなたのビジネスについて教えて下さい」とか、「あなたと一緒に仕事をさせて欲しい」と言って、自分からアプローチをしてくる人とのこと。

そして、見込み客の方から自分にアプローチするように仕向ける活動が、著者にとってのマーケティングだそうです。そして本書の後半は、このマーケティングの話なんです。

人は感情によって行動を左右されている

「人間は感情の生き物」とは、よく言われることです。

ジェームス・スキナーは、著書「成功の9ステップ」の中で、

感情は人生そのもの。あなたが欲しいものはすべて、突き詰めて言うならば感情なのだ。

と言っています。違う言い方をすると、私たちのあらゆる行動の動機は “感情” だということ。もう少し具体的に言うと、私たちは常に「快楽」(という感情)が得られる行動を選択しているんです。

私たちは、「感情によって行動を左右されている」と言ってもいいでしょう。

例えば私たちが何かを購入しようとするとき、次の2つの面から判断を下します。
  1. 理論(値段、機能、必要性・・・)
  2. 感情(欲しい、嬉しい、見せびらかしたい・・・)
ある女性が同窓会に着ていく洋服が欲しいとしましょう。彼女は、たまたまあった高級ブティックに入り素敵な洋服を見つけますが、桁数が一つ多い値札を見て溜息をつきます。

ブティック

理論的には、同窓会に着ていくのに新しい洋服である必要はないとか、ここでこんな大きな出費をしてしまうと、今月の家計が苦しくなるのは目に見えている、といったことを考えます。

一方、新品のブランド物の服を見せびらかしたら、どんなに気持ちいいだろうとか、こんな服を一着持っていたら嬉しいだろうなって感じます(感情を持ちます)。

どちらの面が勝つのかは、その時の状況によるでしょう。店員の勧め方が上手く、つい感情に負けてその洋服を買ってしまった彼女は、洋服の包みを抱えながらこんなことを考えます。

「安物を何着も買い換えるよりも、良いものを一着長く着た方が絶対にお得よね!」

何が言いたいかというと、私たちは自分の感情的な行動を、理論(勝手な理屈)で肯定(正当化)しようとする生き物なんだということ。

先の高級ブティックの店員は、女性客の感情を盛り上げる(みんなから羨望の眼差しで見られますよ!)と同時に、相手の理論の正当化を後押しするような言葉(“一生物” として着られるから絶対お得ですよ)を投げかけていたんです。

理論が優先する場合も勿論ありますが、感情が先に来て、それを理論で正当化(自分に納得させる)という場面も決して少なくはありません。皆さんにも思い当たることはたくさんあるのでは。

人を相手にするときは、常にこの心掛けを忘れないことだ

さて、「人間は感情の生き物」ってことと、ネットワークビジネスとの間にどんな関係があるのか。

セールスに関してずぶの素人である “うつぼメンバー” は、(勝手に見込み客だと思い込んでいる)対象者に対して理論で説得(勧誘)しようとして、どつぼに嵌まっているってこと。

曰く、「誰でも出来る」から、「商品が凄くイイ!」から、「システムが素晴らしい」から、「会社が健全だ」から、あなたでも簡単に成功することができるよ、って。

それも、初めて出会った人にいきなりプロポーズするような粗悪なセールスな訳ですから、ブティックの店員のようなスキルを持っている筈もなく、もちろん相手の感情面なんて全く気にかけることもなく、結果として次々と(アンチを生み出しながら)撃沈していくことになります。

実はこの、「人は感情によって行動を左右されている」ってことは、すべての交渉事や人を相手としたあらゆるビジネスシーンで活用できることなんです。

夫婦喧嘩で、理論で相手をやり込めようとして互いにますますエキサイティングしてしまった、というのは珍しくない話でしょう。頭では自分が悪いって理解しても、感情が納得しないとか。

まあ、喧嘩なんてのは理論より感情の方が大事ってのは分かり易い例ですけどね。

例えばアフガニスタンの子供たちを救うための寄付をお願いする際、満足に食べるものもなくて、医者にかかるお金もなくて・・・と、言葉で理性に訴えかけるより、1枚の写真を見せた方が相手の感情に直にアプローチすることが出来るかも知れません。

貧しい子供たち

「人を動かす」の著者であるデール・カーネギーは、こんな言葉を残しています。

人間は理性の動物ではない。感情に動かされやすい生き物である。
人を相手にするときは、常にこの心掛けを忘れないことだ。

次回(3/3)に続きます。


関連記事
コメント:












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック:
トラックバック URL:

http://55life555.blog.fc2.com/tb.php/1038-ea109a7a

<< topページへこのページの先頭へ >>