ハイケ・ブルック著 「意志力革命」 -- 欲望も必要だと

自分のことを意志力が強いと思ったことは一度もないけれど、それにしても最近は特に自分自身の意思の弱さに呆れているというか、ガッカリしているというか・・・・・

そんな今日この頃、本棚を眺めていたら「意志力」という言葉が目に入ってきました。ハイケ・ブルック著 「意志力革命」をご紹介しましょう。

あれこれ考える前に賽を投げちゃえ!

この本を手にしたのはもう10年近く前のこと。それほど厚い本ではないけれど、小さなポイントで、ぎっしりと詰め込まれている中身を見て、大学時代の教科書を思い出した記憶があります。

意志力革命副題には、「目的達成への行動プログラム」とあります。

原題は、「A BIAS FOR ACTION」とあります。意味合い的には、 “JUST DO IT” and contemplate later. といったところでしょうか。

「あれこれ考える前に、とにかく “やれっ”」 ってのが原題。

ま、ガチガチのビジネス書なので、ちょっと硬めの「意志力革命」の方が日本では合っているのでしょうが、原題の方が内容は分かり易いかな。

また、「あれこれ考える前に、とにかく “やれっ”」 ってのは、ビジネスに限らず、色んな場面で当てはまるのでは。

本書のメッセージは、「意志の力を持ってルビコン川を渡れ」ってことではないかと思います。

そして、「なぜ多くの人が、能力もあり、とるべき行動も頭では理解しているのに、それでもなお行動をとらないのだろうか」という問題に解を求めようとするのが本書です。

「ルビコン川を渡る」とは、古代ローマ時代、シーザーがこの川を渡ってローマに向かったという故事に基づくものですが、ルビコン川を渡るということはローマに対する反逆とみなされていました。

言ってみれば、「もう取り止めることができる点を越してしまったので、最後までするしかない」ってことです。 「意志の力」で、 “行動を取らざるを得ない” に状態に自分自身を追い込めってことかな。

因みに、かの有名な「賽は投げられた」という言葉は、シーザーがこのルビコン川を通過する際に言ったとして知られています。

ついつい後回しにしちゃうことこそ、将来においては重要なことで

さて、「意志の力で」ってどういうことかというと、「意識を持って」という意味合いなんだと思います。

では、どういう “意識” かというと、古代ローマの哲学者セネカの名言から引用しましょう。

あなた方すべての活動を何らかの目標に向け、目的をはっきりさせるようにしなさい。

本書の中で繰り返し繰り返し何度も指摘されることです。ここに、すべてのことが集約されているような気がします。少なくとも、このこと無くしては大したことは達成できないでしょう。

私たちは、「目的を伴う意識的行動」をとることによってのみ、自分の置かれた状況を変えることができます。そして更に、家族や地域社会、会社など、あなたを取り巻く世界の状況にさえも違いをもたらすことが出来るのです。

ビジネス書風に言うと、マネジャーは組織の最も重要な問題に取り組むことをなおざりにするか先延ばしする傾向があります。

「重要性」と「緊急性」という2つの軸で4つの象限に分けて見たとき、「重要な問題」というのは下の第二象限に当てはまる「重要だけど緊急ではない事柄」ってこと。

4象限分類

この第二象限に分類される事柄は、通常、大局的なものの見方を必要する一方で、目に見える短期的な成果には結びつかないという現実があります。

で、どうなるかというと、日常の決まりきったルーティン、優先順位付けが曖昧な、あるいは焦点のはっきりしない一連の仕事、すなわち今すぐ目に見える成果を生む活動へと “無意識” のうちに資源(時間とかね)を配分してしまうことになります。

どういうことかというと、上の図で矢印のような(L型の)行動をしてしまうんです。

自分の意図することを頭の中にはっきりと描き

では、どうするか? この問題を解決するのが「目的を伴う意識的行動」なんです。目的を持って、意識的にL型行動から脱却し、第二象限に焦点を当てていくんです。

当然のことながら、目的を伴う意識的行動とは、自らの中から生まれ、自ら身を乗り出して、自らを駆り立て続ける行動であるはずです。

何かを達成したという思い、その目的に向かっての行動は、決して外側から与えることの出来ないものです。自分の内側に生まれない限り、どこからも手に入れることは出来ません。

また、目的意識を伴う行動は衝動的行動とはまったく異なるものです。それは瞬間的に現れるものではなく、思考、分析そして計画を伴います。言い換えれば、特定の目標を達成しようという個人の決意に導かれた行動なのです。

目的を明確にし、そこに至る行動を計画し、その過程の中で目標達成に役立たない行動を排除し、目標達成に役立つ行動だけに集中していくということです。

言ってみれば、第四象限の活動を排除し、計画的な行動を心がけることで、第三象限、そして第一象限にかける時間などの資源を減らし、それを第二象限に投資するってこと。

そこにはモチベーションとは別の力が必要となります。そしてそれこそが、私たち自身が持つ「意志の力」なのです。

ここで再び、「意志の力」とは何でしょうか。あるいは、どこで発揮すべきものなのでしょうか。

意志の力を発揮し働かせるプロセスとは、自分の意図することを頭の中にはっきりと描き、それに専念し、その実現を追及するという選択を意識的に行い、気が散っても、飽き飽きしても、イライラしても、自分の意図するものを守り通すための戦略を練る。

意志の力とは、目的達成に向けての意識的な選択、あるいは優先順位を守る力と言えそうです。

意志は弱いけど、欲望は強い

えーっとビジネス書なんで、本書から硬い表現を引用している内に、自分でも話の流れをどこにもっていきたいのかが分からなくなってしまいそうなんですが、ここからは私の勝手な解釈です。

私的には、結局は次の言葉に戻ってくるんじゃないかなと。

あなた方すべての活動を何らかの目標に向け、目的をはっきりさせるようにしなさい。

何よりも先ず、「人生の目的」を明確にしなさい、と。そして、 “目的” が明確になったら、その目的を達成するためにどうやっていくのかという “目標” を立て、そこに向かって行動していくんだと。

この「人生の目的」を明確にするには「意志の力」が必要です。「目的を伴う意識的行動」を起こさないと、私たちは “大局的なものの見方” を必要とする「人生の目的」なんて探そうとせずに、

「日常の決まりきったルーティン、優先順位付けが曖昧な、あるいは焦点のはっきりしない一連の仕事、すなわち今すぐ目に見える成果を生む活動へと “無意識” のうちに資源を配分してしまう」

ことになってしまうから。だって、その方が(L型行動をする方が)楽ですからね。

「人生の目的」って、分かりやすく言えば自分の人生において “欲しいもの” です。

もう10年単位で昔のことですが、あるセミナーに参加したときに、講師の方が言われたことが未だに印象に残っています。それは、

意志は弱いけど、欲望は強い

ってこと。これは、結構衝撃的でした。だって、印象的には「意志の強い人が立派な人」みたいに思っていたのが、 “意志は弱い” って宣言されちゃったわけですから。

そうか、意志は弱くてもいいのか、って。

なんか出だしの方向と、あるいは本書の方向から微妙に逸れて行きそうですが、 “意志が弱い” ことに対する免罪符をもらったような気になりました。

“欲望” と意志の力がタッグを組めば最強?

えっとね、私が言いたいのは、日常ルーチンから離れて、「人生の目的」を見つけるのには、間違いなく「意志の力」が必要なんです。

でも、本当に自分が求めている「人生の目的」をみつけたなら、それって上に書いた通り、あなたの欲しいものなわけです。いわば、 “欲望” です。

ね、 “欲望は強い” んです。後は、欲望のおもむくままに・・・・・

ただし、いくら “欲望は強い” と言っても、その欲望を実現するのには、多分とっても大きな努力が必要で、多くの壁が立ちはだかって、その辛さに途中で負けてしまうかもしれません。

で、ここで再び「意志の力」の出番です。ということで、再び同じ言葉を引用させて貰うと、

意志の力を発揮し働かせるプロセスとは、自分の意図することを頭の中にはっきりと描き、それに専念し、その実現を追及するという選択を意識的に行い、気が散っても、飽き飽きしても、イライラしても、自分の意図するものを守り通すための戦略を練る。

先ずは、明確な “欲望” があって、それを手に入れるためには、 “意志” の力が必要だということ。

もしも “欲望” がとても強烈なものであるなら、 “意志” なんて不要で、 “欲望” だけで突っ走って行けるのかも知れませんが、大概の人は “欲望” と “意志” がセットで必要なのではないかな。

あるいは、意志の力だけですべての障害を乗り越えることが出来る方が素晴らしいのかもしれないけれど、少なくとも私のように意志の弱い人間は欲望の力が必要だなって思いますけどね。

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