フレドリック・ヘレーン 著 「スウェーデン式アイデア・ブック」

フレドリック・ヘレーン 著 「スウェーデン式アイデア・ブック」のご紹介。

何かしらのアイデアが欲しいときって日常生活の中でも普通にありますよね。そんな時、パラパラってめくってみると、アイデアの取っ掛かりを掴めるかもしれないなって思えるような本。

1つのアイデアは、複数の古いアイデアが合成してできたもの

スウェーデン式アイデアブック取り敢えず、「創造性テスト」にトライしてみて下さい。

問題は簡単で、「レンガ1個の使い道をできるだけ考える」というもの。後でまた触れますので、最低でも5つくらいは捻り出してみましょう。

さて、最初から別の本の話題になってしまいますが、この系統の本では古典的名著であるジェームス・ヤングの「アイデアの作り方」というのがあります。

両書とも命題は一つ。「人はどのようにしてアイデアを手に入れることができるのか」というものです。

ジェームス・ヤングによれば、「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」ということになります。

新しいアイデアとは、ゼロから生み出されるものではなく、実は古くから存在する既存のアイデアの組み合わせに過ぎない、ということです。

そして、既存のアイデアの組み合わせは無限に存在し、組み合わせ方そのものがアイデアの創造、オリジナリティであるということなのです。

本書の主張も同じ。

「1つのアイデアは、複数の古いアイデアが合成してできたものです。既存のアイデアの合成ではないものは、ほとんどありません。いや、存在しないのではないでしょうか」

アイデアは組み合わせ

別の言い方をすると、新しいアイデアを生み出すためには、私たちの身の回りに存在する様々な事物の間に、有用な、そして新しい関連性を見つけ出すことが必要ってこと。

本書では、「フリーペーパー」と「朝刊専門紙」という2つの既存のアイデアを合体させた、スウェーデン発祥の無料朝刊専門紙「メトロ」などを例として紹介しています。

道に詳しくないタクシー運転手?

一方で、 “合体” ではなく、「取り除いてみるのはどう?」って提案もされてます。

ストックホルムではタクシー運転手がいつも不足気味で、それがタクシーの台数不足、ひいてはタクシー待ちの長い行列(非常なイライラ)に繋がっていたそうです。

運転免許証を持っている失業者は大勢いるんだけど、ストックホルムでタクシー運転許可書を取得するには、とても難しい試験に合格する必要がありました。

市内はもちろん、周辺のほとんどすべての通りに詳しいことが求められるんだけど、皆この試験に合格する自信がなく、最初から諦めてしまう人がほとんどだったと。

そこで、タクシー運転手に要求される基本的な条件二つ(一つは運転免許書)の内の一つ、「道路に詳しい」という条件を取り除いてみたらどうか。

だいたいタクシーを利用する10人の内の9人は、行き先も道順も分かっているものです。その乗客は、(見習い)運転手に道順を教える代わりに、通常料金の8割で乗車できるというシステム。

タクシーの台数が増えるし、運転手は給料を貰いながら道を覚えられるし、乗客は安い料金でタクシーを利用できるしと、関係する人みんなにメリットのあるシステム。

また、先の例の無料朝刊専門紙「メトロ」は、既存のアイデアの組み合わせによって生まれたものですが、同時に「ある活動に要求される基本的な条件から、その内の一つを取り除いてみる」ことで生まれたアイデアでもあったのです。

新聞の基本的な収入源は「購読料」と「広告収入」の2つです。

当時、新聞にまつわるコストのうち25%が配達にかかり、購読料は収益の25%を占めていたので、「配達しない」ことで、「購読料」を取り除いたのです。

シンプルですよね。良いアイデアや、役に立つアイデアは、 “単純” というのはよくあるケース。

初めに思いつく3~5個のアイデアに価値は無い?

著者が考え出したアイデアメーションという造語が紹介されていますが、これは「アイデア」と「インフォメーション」を組み合わせたもので、「誰もが最初に考えつくアイデア」という意味が込められています。

さて、冒頭の「創造性のテスト」です。レンガ1個の使い道として、どんな事を考えつきましたか。

著者曰く、何人かにレンガ1個の使い道を5通り考えてもらうと、「武器」「本立て」「グリル」「ペン立て」「建築材料」のうち、少なくとも2つが必ず出てくるそうです。

この5つがレンガの用途に関するアイデアメーション、ということになります。

ある企業の広告を作ろうとするとき、有名な絵画を1点使ってよいとしたら、スウェーデン人の多くはダ・ヴィンチの「モナリザ」を思い浮かべるそうです。

これが、広告用絵画のアイデアメーションです。問題がなんであれ、初めに思いつく3~5個の考えは、他の誰もが考えつくものであり、アイデアではないということ。

モナリザとか

アイデアメーションには、アイデアとしての価値はありませんが、ではどうすればこの領域から脱出することが出来るのか?

答えはシンプル。とにかくアイデアをたくさん考えることに尽きるようです。

本書の中にこんな記述があります。

もしかすると、創造性にはそれほど個人差はなく、単に他の人よりも
多くのアイデアを考えようとするかしないかだけなのかもしれません。

まだ何も完成していない

ITが発達した今の時代、新しいアイデアを考え付くなんて私には無理?

1931年、ジャーナリストで政治評論家のリンカーン・ステファンスは、こんなことを言ったそうです。

「まだ何も完成していない。すべては、これから行われるのを待っているところだ。絵画の最高傑作は、まだ描かれていない。戯曲の最高傑作は、まだ書かれていない。最も美しい歌は、まだ歌われていない」

ここから80年以上が経っていますが、いつの時代になっても「まだ何も完成していない」のかも。

家具メーカー、イケア(IKEA)には9つの信条があり、その最後の締めくくりの言葉。

「おおかたは、まだ行われていない。素晴らしき未来かな」

なんか、勇気が出てくる気がする!


コメント:












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック:
トラックバック URL:

http://55life555.blog.fc2.com/tb.php/1266-896beb6e

<< topページへこのページの先頭へ >>