アーニー・J・ゼリンスキー著 「働かないって、ワクワクしない?」

アーニー・J・ゼリンスキー著 「働かないって、ワクワクしない?」のご紹介。

毎朝、その日に起こることを楽しみに目を覚ます

働かないって、ワクワクしない?「この本はズバリ、あなたを“勝ち組”にする本です」という書き出しから始まります。ただし、この本が語るのは、働かないで「勝ち組」になる方法、つまり仕事から離れて過ごす、あなたの自由時間の中で「勝ち組」になる方法です。

“勝ち組”って言葉、あまりいい響きの言葉じゃあないけど、著者が言う“勝ち組”の中身って悪くありません。

生きることに喜びを感じ、毎朝、その日に起こることを楽しみに目を覚ます。自分が今していることを楽しんでいる。残りの人生で自分が何をしたいかよくわかっている。

そんな人が「勝ち組」なんだって言っています。よく分かります。

著者は、29歳の時、それまで3年間続けたエンジニアの仕事をクビになってから(上司に無断で10週間の夏休みを取ったからですが)、2年間、まったく働かず、学校にも行かずに過ごしていました。

その時の目標は、「働かないでハッピーになること」。ほとんどお金がないという日々もあったようですが、とても充実した時間を過ごし、何よりも貴重で大事だったのは、人生を謳歌していたことです。

2年間の自由時間を過ごした著者は、その後、英語で「r」がつかない月には働かないことにしたのです(羨ましい)。5月、6月、7月、8月は、レジャーや娯楽にもってこいのシーズンだからです。

何の悩みもない自由時間、それは人生の幻想

「働かずに生きていけたらどんなに素晴らしいだろう!」って夢想したことはありませんか。少なくとも私は、しょっちゅう考えていますけどね。私の目指している理想は、「晴耕雨読」です。

空に浮かぶ雲
宝くじに当たれば人生はバラ色。大金持ちになれば夢見ていた人生が送れる。誰もがこう思っているけど、実際にはそう簡単な話ではないようです。

(本書の内容から少し外れますが、先日聞いた話だと、一億円以上の宝くじに当たった人の内、なんと95%の人が5年以内に破産をしているそうです。宝くじで当たったお金が無くなったというだけではなく、当たる前の状態よりも悪くなったんです。“破産”ですからね。)

何の悩みもない自由時間、それは人生の幻想の一つであり、実際に自由時間が増えてみると、これまでとは違った悩みに直面することになるよって著者は警告します。

その根本には、自由時間に慣れていないライフスタイルがあるようです。

自由時間さえあれば他には何もいらない。そして気ままな生活を送りたいという人はたくさんいます。でも、長い時間をコントロールする準備ができていないままに、自由時間の渦の中に飲み込まれてしまうと、楽しむどころか、返って不安な気持ちに苛まれることになるのです。

早期退職プランに応じた人々(私もその一人です)の半数以上が、退職後3か月経つと、仕事に戻りたいと感じるそうです。引退生活は夢見ていたものとは違った、朝から晩まで自由時間という生活は、それほど楽しいものではなかった、というわけです。

仕事にも嫌な面はたくさんあったけど、今から考えると、それほど悪いものではなかったなあ、なんて思うわけですね。

経済大国日本の人たちは、世界で3番目に幸せ?

私たちが自由時間を(真に)楽しめない理由には、様々な側面があるのですが、一つには「一生懸命働かないことへの罪悪感」というものがありそうです。

働かないことへの罪悪感なんて持ってないって思っていましたが、心の奥底を覗いてみると、やはりしっかりとあるようです。

たとえば、風邪で寝込んでいると、病気なんだから仕方がないと思う一方で、なんとなく後ろ暗い感覚が心のどこかに常にあるように思います。

私たちは、「働かざる者、食うべからず」という思想に、心の底からとりつかれているようです。

一生懸命働くことが善であり、その結果として経済的に発展することが、個人としても、そして国家としても評価されるのです。

経済繁栄の尺度として、GDP(国内総生産)というものがありますが、現在日本はアメリカ、中国に次いで世界第3位です。

その意味では、若干陰りが見えてきたとは言いながらも、日本は間違いなく“成功”している国の一つです。

でも、日本国民は世界で3番目に幸せなのかな?毎年三万人を超える自殺者の数を考えると、けっしてそんなことはないように思います。

モノは幸福の源泉に成り得ないということは、みんな知ってる筈なのにね

昨年来日されて、爽やかな話題を振りまいていったブータン国王と王妃のことは、まだ記憶に鮮やかなことでしょう。

本書の中にも(前)ブータン国王の話題が書かれています。

「わたしたちは国民総生産(GNP)を信じていないんです。
わたしたちが信じているのは国民総幸福(GNH)です」

国民総生産ではなく、国民総幸福。これは、勤労の美徳とモノに対するこだわりから離れましょう、ということです。

もちろん働くことは必要です。でも、たいていの人々が考えてるレベルの働き方は必要ないのかもしれません。

物質的な目標をほどほどにすることにより、環境は驚くほど改善され、もっとのんびりした生活を楽しむことができるようになるのです。

車や家、コンピュータなど私たちを取り巻くモノは確かに便利ですが、それ以上のものではありません。モノは幸福の源泉にはなり得ません。私たちが所有するモノ、住む場所、そして仕事は、重要性で言えば二次的なものに過ぎません。私たちのアイデンティティーはモノとは別の次元にあるのです。

楽→楽→楽→楽→楽→・・・・・退屈な人生

さて、著者が意図する自由時間の使い方は、テレビの前で5時間も6時間もボーっとしているというものではありません。

著者は、一つのルールを提示しています。名づけて「苦あれば楽あり」ルール。

様々な場面で、ほとんどの人はいつも楽な道を選びます。あるいはリスクのない道を。でも、問題は、長い目で見るとそれが最終的には苦痛になる、というのがこのルールの内容です。

目の前の安楽さは、別の道より魅力的に見えます。でも、楽な道を選んでいると、人生は退屈なものになってしまいます。退屈な人生と墓場はよく似ています。唯一の違いは、死人のように活気のない人たちの仲間入りをするか、本当の死人の仲間入りをするかだけです。

多くの人々は何の行動も起こさないという選択をします。それが一番楽そうに見えるから。でも、著者のアドバイスはこうです。

楽な道を選んで、達成感を感じられないような退屈な人生に甘んじている人々の仲間入りはしないように。

多くの人々は、人生の方向づけを無計画に行っています。いわばゴールや夢を持たない活動ですが、ゴールのない活動にいくらエネルギーを注ぎ込んでも、どこにも到達しません。

ゴールを設定すると、追い求めるべきものができます。それが目的です。目的と方向がはっきりすれば、私たちはクリエイティブになり、創意工夫をしようと思うようになるのです。

目標やゴールを設定するには、努力が必要です。目標やゴールが決まると、そこに到達するために、さらに努力が必要になります。このように大変な努力が必要なため、多くの人々はゴールを設定せず、それに向かって進むこともしないのです。

この辺りは、以前紹介した大橋禅太郎さんの「行動力★力」の内容と面白いくらい重なりますね。

あなたが確実に手に入れられる“時”は、“今この瞬間”だけです

私の好きな言葉に、「人生はPresent」というものがあります。これは、人生は贈り物(present)であり、また今(present)である、という意味です。

人生の共通のゴールの一つは、幸福になることでしょう。そして幸福なるためには、“一日一日”を幸せに暮らすしかないのです。幸福とは、今この瞬間に起こっていることです。

私たちは、過去に生きているのでも、未来に生きているのでもありません。あなたの人生で手に入れることができるのは、「今この瞬間」だけなんです。

上で、「目標やゴールを設定し」って書きましたが、目標やゴールに到達した時が幸福なのではなく、目標やゴールに向かって努力している“今この瞬間”が幸せなんです。努力している“プロセス”に、楽しみや満足や、そして幸福があるのです。

どれほど重要なゴールであっても、到達した時に得られる満足感は短期的なものです。

でもプロセス自体がゴールになれば、人生は変容します。創造性が高まり、失敗は成功とみなされ、負けは勝ちと考えられるようになるんです。

著者が求める「ワクワクする自由時間」とは、単なる休憩時間ではなく、目標やゴールのある創造的で、そしてアクティブな行動をする時間なのです。

人生において唯一の重要なことは、今この瞬間に私たちがどう生きているかということに尽きます。何を学び、どれだけ笑い、どれだけ遊び、どれだけの愛を周囲の世界に注いでいるか。


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