地下鉄用のトンネル工事現場でシールドマシンに出会った

地下鉄の工事現場見学に行ってきました。

地元を走る環状二号線の下に、地下鉄を通すためのトンネル工事をしているのですが、その羽沢から新横浜間の工事区間を見学する機会が、町内会の依頼で実現したとのこと。

これは、前から一度は見てみたいなって思っていた類の工事だったので、町内会の回覧板で早速申し込みました。もう、行く前からワクワク。

ところが開催日の前日、現地に行く足が無いことに気が付きました。クルマはここ数日、次男が乗って出掛けてしまっているので、歩いて行くしか無い。

距離にして3.5km。私にとってはどうってことのない距離ですが、炎天下の3.5kmは一緒に行く奥さんにとってはちょっと大変な道のり。でも他に手段が無いのだから仕方ない。

汗だくになって、集合場所に到着。約40分位かかりました。

現地の事務所でパンフレットを頂き、それにそって1時間弱の説明を聞いてから、工事現場へと観光バスで向かうとのこと。私達が参加した時間帯の参加人数は30名弱。

見学の時間枠は3日間で6つ。見学者の総勢は約150名とのことで、意外と希望者が多かったようです。(町内会全体の人数を知らないので、どれくらいの割合なのかは分かりませんが)

トンネル工事見学パンフ

「工事現場での写真撮影は自由なので好きなだけ撮って下さい」とのこと。但し、それをFacebookやブログにアップするのはダメだけどね、って。なんのこっちゃ?

興味深い写真を沢山撮れただけに、ここで皆さんにお見せ出来ないのが本当に残念。ブログで使えないとなると、何のために撮ってきたのかなって、頭の中に疑問符が。

ということで写真の力を借りずに文章で説明することになるんですが、あまり詳しい話をしても読む方も退屈だと思うので、私が気になったシールドマシンに絞って紹介しましょう。

直径10.5m、全長65mのシールドマシンのお値段は、驚きの28億円!

今の時代、トンネル工事と言えばシールド工法でしょう。

たまにTV番組等で見る機会もあるので、シールド工法のなんたるかは大概の人が知ってることと思います。シールドマシンと呼ばれる円筒形の穴掘りロボットでトンネルを掘り進めていく工法です。

このシールドマシン、どうやらその現場ごとの特注品のようで、ここの工事で使うシールドマシンは、直径10.5m、全長65m(マシン本体は12m)で、価格は28億円とのこと。

三菱重工(だったと思う)で製作し、それを分解して現場まで運び、こちらで再び組み上げたそうですが、その組立だけで昼夜交代24時間稼働で2ヶ月半かかったそうです。

昔は、シールドマシンの寿命は1000m掘れる程度だったそうですが、現在では1台のシールドマシンで5000mくらいまで掘ることが出来るようになったとか。

シールドマシンの先端に土を掘る刃(切羽)が装着されていて、それが後方の本体を支持母体としながら回転することで、円形の穴を掘り進んでいきますが、主にこの刃に寿命があるようです。

掘った土は、シールドマシンの中に回収され、それがベルトコンベアに乗って後方へと(工事が進むと、本当に延々と後方へと、何キロにも渡るベルトコンベアに乗って)送られます。

これを書きながら思い出したのは、映画の『ダイハード3』でのトンネル工事現場のシーン。あのトンネルは巨大で、中を大型トラックが走ってましたね。

今回のトンネルはそこまで巨大ではないので、掘り出した土は(工事の進捗に従って延長し続ける)ベルトコンベアで地上まで運ばれていくんです。

ベルトコンベアに乗って地上まで運ばれた土は、トラックに載せられて埋立地へと運ばれます。今回掘り出された土は、大黒ふ頭に運ばれて横浜港の埋め立てに使われるとのこと。

トラック

シールドマシンの前進スピードは25mm/毎分だそうです。1日にすると10m~12m進むらしい。

これをシールドマシンの直径で計算してみると、1日に掘り出される土の量は、約1000立方メートルになります。10m×10m×10mの立方体ってことですね。

なるほど、土を運び出すトラックが次から次へとやって来るわけだわ。

シールドマシンはジャッキによって前進する

ところでこのシールドマシン、1分間に25mmをどうやって前進すると思いますか? これ、以前から疑問に思ってたことだったんです。

シールドマシン本体に車輪みたいのが付いていて、それで押しているのかななんて思っていたら、実際には油圧式のジャッキで押しているとのこと。

シールドマシンが掘り進んで過ぎ去った所にはコンクリートを流し込みます(場所によっては、事前に製作しておいた円筒状のピースを嵌め込む)が、そのコンクリートの型枠にジャッキを押し当てることによって前進するんです。

刃の直ぐ後方に28本のジャッキが放射状に装備されていて、そのジャッキを掘り進むスピードに合わせてジワジワと押し出すんです。

シールドマシン

確か型枠の幅が1.2mだったと思うので、ジャッキが1.2m伸びると一旦ジャッキを縮め、そこに新たな型枠が嵌め込まれ、再びその型枠を土台として前進していくことになります。

掘り進めるトンネルは必ずしも直線とは限らないし、地上から地下に潜り、再び上昇して地上に出てくるといったように、シールドマシンの進行方向をコントロール必要があります。

例えば右方向に曲がろうとする時、この28本のジャッキを左右14本づつに分割し、左側のジャッキは14本全てを伸ばし、右側のジャッキは半分の7本だけしか伸ばさない、といった感じで進行方向を操るそうです。

なので、シールドマシンには運転席があって、運転手もいます。

最初、事務所でその説明を聞いた時、いわゆる(ハンドル類が並んでいる)重機のコックピットのようなものをイメージしていたのですが、実際にはただの部屋にPCモニターが数台あるだけでした。

考えてみれば当たり前で、ハンドルのようなもので操作するほどのスピードではありませんからね(時速1.5m)。シールドマシンの各所に取り付けられたセンサーのデータをPCで見ながら、28本のジャッキをPCでコントロールするだけです。

ただし、(当たり前だけど)この運転手の腕に、トンネルの掘り進む方向の良し悪しがかかっているわけです。

因みに、今回の羽沢トンネルへと続く前のトンネル工事では、約1.5km掘り進んでゴールに到着した時の誤差が、左右は±ゼロ、上下は+5mmだったとのこと。

いや、いや、いや、凄い技術だな!


関連記事
コメント:












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック:
トラックバック URL:

http://55life555.blog.fc2.com/tb.php/1795-fbfc5c19

<< topページへこのページの先頭へ >>