喜多川泰著 「手紙屋」

喜多川泰さんさんは、ストーリー仕立てで人生における重要な様々なことを教えてくれる作家です。

今日は、そんな喜多川さんの「手紙屋」という本をご紹介しましょう。

大学に通う<僕>が出会ったのは『書楽』という変なお店

手紙屋地方の高校を卒業し、大学にに通うために横浜の下宿で独り暮らしを始めた<僕>は、ある日『書楽』というお店を偶然見つけます。

   『横浜で、一人静かに書を楽しむ、
       あなたの書斎をご用意しました ----- 書楽』

そのお店の静かな雰囲気が気に入った<僕>は、大学生活の合間を縫って足繁く通うことになります。

あっという間に3年の月日が流れ、就職活動真っ盛りの4年生になった春のある日、<僕>はそのお店で、こんなチラシを手にします。


はじめまして、手紙屋です。
手紙屋一筋十年。きっとあなたの人生のお役に立てるはずです。
私に手紙を出して下さい。

「手紙屋」の仕事は、希望する人と手紙のやり取りをすることであり、「手紙屋」から送られてくる手紙は全部で十通、といったことがチラシに書かれていました。

その十通の手紙で、あなたが人生で実現したいことを実現するお手伝いをさせて頂きたいと思います。

就職活動に出遅れ、将来何をやりたいのか、どうしたいのかも見つけられず、思い悩んでいた<僕>は、最初の一通は無料という言葉にも誘われ、思い切って手紙を出してみることにしました。

一通目の手紙:あなたは、欲しいものをどうやって手に入れますか?

就職活動に思い悩んでいる状況を手紙に託した<僕>は、「手紙屋」から一通目の手紙を受け取ります。その手紙は、こんな質問から始まっていました。

あなたは、欲しいものをどうやって手に入れますか?

私も含め世の中の多くの人は、「欲しいものはお金を払って手に入れる」って、思っているのではないでしょうか。

これはこれでもちろん間違いではないのですが、「手紙屋」の考える欲しいものを手に入れる方法とはちょっとずれているようです。

『物々交換』

これが、「手紙屋」が考える、私たちが欲しいものを手に入れる際の基本的な方法とのことです。なぜ、基本的な方法なのかといえば、

「貨幣が流通の中心である現代社会に住んでいる私たちは、そのことを忘れがちですが、やはり私たちが毎日やっているのは単純な『物々交換』でしかない」

からです。もっと噛み砕いて言うと、私たちが何かを手に入れるという行為は、

相手の持っているものの中で自分が欲しいものと、自分が持っているものの中で相手が欲しがるものとを、お互いがちょうどいいと思う量で交換している。

ということなのです。「お金」や「働く」という行為も、考え方は同じです。

会社が持っているものの中で自分が欲しいお金や安定と、自分が持っているものの中で相手が欲しがる労働力や時間を、お互いがちょうどいいと思う量で交換している。

あなたの持っているものの中で、他の人が欲しがるものには、労働力や時間といったもの以外に、どんなものがあると思いますか。

自分ではなかなか気が付かないかもしれませんが、あなたは、他の人が欲しがる素晴らしものを、たくさん持っているのです。

それは探せば探すほどたくさん見つかるし、自分を磨けば磨くほど、増えていくんです。

例えば、笑顔や、あなたが発する言葉だって物々交換の対象になるんです。

あなたの魅力をたくさん見つけ出し、磨いて、出し惜しみしないでどんどん周囲の人に提供すれば、人生の中で思ってもみなかった様々なものが手に入ることに気がつくでしょう。

四通目の手紙:思い通りの人生を送る

「手紙屋」から来た四通目の手紙の題名は、「思い通りの人生を送る」というものでした。

この手紙の中で、「手紙屋」は思い通りの人生を送るために、「物々交換」では手に入れることができないものを手に入れる方法を一つ教えてくれます。

それは、あなたの頭の中にいつも「天秤」を用意することです。

天秤の片方には、あなたの手に入れたい物を載せます。そして、それと釣り合うものを、釣り合う量だけ、もう片方の皿の上に載せた時、あなたの欲しいものが手に入るわけです。

例えば、「チームで一番野球がうまくなりたい」という少年の思いは、「物々交換」では手に入れることができませんよね。

この少年は、天秤のもう片方に、「チームの誰よりも、意味ある練習をたくさんする」というものを載せる必要があります。

もしこの少年が、「日本で一番野球がうまくなりたい」という目標に変えたら、もう片方の天秤のお皿に、何をどれだけ載せなければならないか、答えが変わってくることも分かりますよね。

そう、自分の欲しいものを手に入れるには、反対の皿に、それに見合うだけの必要なものを載せればいいだけなんです。

そしてこれが、「思い通りの人生を送る」ために必要なことであり、世に言うところの成功者たちが実行していることなんです。

「人生は思い通りにいかない」って思っている人の多くは、「○○大学に合格したい」という目標を天秤の片方の皿に載せた時、もう片方の皿に「お賽銭100円」を置こうとしているんです。

これ、金額の話ではなくて、置くものを間違えていますよね。「そんな人はいないでしょ!」って思うかもしれませんが、誰もが頭の中に天秤を用意して考えてみれば、こういう異質なものを置こうとしているという反省があるのではないでしょうか。

違う言い方をすると、「代償の先払い」というものです。その意味では、これもまた「物々交換」なのかもしれません。時間とかお金を自分に投資し、その結果として欲しいものを手に入れるのですから。

七通目の手紙は、いつもの「壁」のお話

このブログでも繰り返し出て来る「壁」のお話。

人が夢や目標を持つと、目の前には必ず壁が現れます。その夢さえ持たなければ壁と感じることなく生きていられることが、いくつも自分の前に現れるんです。大きな夢を描く人には大きな壁が現れます。

人生の様々な場面における障害は、「壁」という言葉で比喩されることが多いと思いますが、それに対する考え方とか、乗り越え方とか、いろんな知恵が様々な本で紹介されています。

以前紹介した、「あなたを邪魔する壁が小さくなる方法」は、まさに「壁」の話でしたし、カーネギーメロン大学のランディ・パウシュ教授は「最後の授業」の中で、この「壁」をこんな風に表現していました。

レンガの壁がそこにあるのには、理由がある。
僕たちの行く手を阻むためにあるのではない。
その壁の向こうにある「何か」を、
自分がどれほど真剣に望んでいるか、
証明するチャンスを与えているのだ。

人生におけるあらゆる壁は、あなたが決める生き方に応じて目の前にやってきます。壁はその人がよりよく生きていこうと考えるときに必ず現れるものなのです。

目標を持つから壁が現れるのです。

その意味では、壁は自分が頑張って生きていこうとしている証として誇り、歓迎すべきものなのでしょう。池松耕治さんがいつも話される「問題は、神様からのプレゼント」ということですね。

「壁」のない人生は安易かもしれませんが、そこには「充実感」とか「達成感」とか、あるいは「生きている」といった「実り」は存在していないのかもしれません。

九通目の手紙:止まっている人は止まり続け、動いている人は動き続けようとする

「手紙屋」からの九通目の手紙に、『慣性の法則』の話が書かれています。

(「あなたを邪魔する壁が・・・・」にも、まったく同じことが書かれていました。人生の知恵といったものは、誰が書いても結局は同じようなものになるのでしょう)

止まっているものは、止まり続けようとする。
動いているものは、動き続けようとする。

止まっているものは、そこに止まり続けようとします。これを動かそうとすると大きな力が必要です。逆に動いているものは、ずっと動き続けようとするのです。

必要なのは、今すぐ、最初の一歩を踏み出すことです。今すぐ行動するのは勇気がいることです。とても勇気がいることだと思います。

「してみたいなあ」「したら自分のためになりそうだなあ」とわかっていても、やらずに済んでしまうことをやるのは勇気がいることなのです。それをしようと思わない人にはわからない勇気です。

慣性の法則の「もの」を「人」に変えてみましょう。

止まっている人は、止まり続けようとする。
動いている人は、動き続けようとする。

ああ、残念ながら今の自分にピッタリと当てはまります。



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