デイジー・ウェイドマン著 「ハーバードからの贈り物」

デイジー・ウェイドマン著 「ハーバードからの贈り物」のご紹介。

もう何年も前に購入した本ですが、不思議と印象に残っている本で、今でもたまに本棚から引っ張り出して来て拾い読みをしたりしています。

Remember Who You Are

ハーバードからの贈り物題名のハーバードとは、世界最高峰のビジネススクール(経営学大学院)であるハーバード・ビジネススクールのことを指しています。

なので、読み始める前は「ビジネス書」だろうなって想像していましたが、原題の方がその内容をよく表していました。

というか、「Remember Who You Are」という原題に魅かれて購入したという記憶があります。

この一年間、「成功」に関わる本を紹介したり、「成功」するためにどうすればいいのかとか、「成功」とはどういうことなのかといったたくさんの記事を書いてきましたが、本書全編を通して伝わってくる「成功」は、また少し違うようです。

本書の中である教授は、「成功」ということに関して、こんな表現の仕方をしています。

あなたは、周りの人々の生活にどんな影響を与えてきただろうか。

成功とは、目標を設定し、その目標を達成することで手に入れるものだって(本当にざっくりとした)イメージがありますよね。でもこの教授は、成功したかどうかの尺度を、いかに目標を達成するかに置くのではなくて、あなたが周囲の人々にどんな影響を与え、その人の生活にどんな変化をもたらしたかに置いてみないかって言っているのです。

コンビニの店員に、あなたはどんな態度で接していますか

でも、「他の人に影響を与える」ための具体的な行動って何? そんなあなたに、教授から二つの質問が投げかけられます。

第一の質問:あなたの周りの人は、あなたをどう認識していますか?

第二の質問:あなたの周りの人は、あなたと関わった時、自分をどう認識しますか?

質問の意図が分かりますか? つまり、大事なのは “あなた” が相手に「何を言うか」とか「どんな行動をするか」ではなくて、それによって “相手” の内面に何が生じるかということなのです。

そのとき相手は何を考え、何を感じ取るのか。そして、あなたと関わった結果、相手の自己認識は、どのように変化するか、ということです。

例えば具体的な例として、コンビニでの店員とのやり取りが挙げられています。

コンビニのカウンターで、あなたは料金を支払って品物を受け取ります。ごくごくありふれた風景ですが、そのとき店員は、あなたをどのように認識したのか考えてみましょう。

あなたは、親しげな笑みを見せ、ありがとうと言ったでしょうか? それとも、無言で品物をつかみ取り、目も合わせなかったですか?

一方、この短い接触で、彼女は自分自身をどう認識したでしょうか? 評価されたと感じたか、それとも無視されていると感じたでしょうか?

違う言い方をすれば、あなたの “言葉” や “態度” は、相手にポジティブな影響を与えたのか、それともネガティブな影響を与えたのかってことです。そして、ポジティブな影響を与えることができるような人になることこそが、人としての成功なんだってことです。

ポジティブな影響を与えるって、考えてみれば分かるけど本当に難しいよ

コンビニの例に限らず、相手にポジティブな影響を与える機会は、家庭から職場まで、日常生活のあらゆる場面に存在しますよね。

あなたが夜、長い一日を終えて疲れきって帰宅した時、あなたが最初に口にする言葉を聞いて、あなたの奥さんは自分が愛され、感謝され、夫にとって大事な存在だと感じていると思いますか?

それともあなたのぶっきらぼうな態度に、意気消沈しているのでしょうか。

あなたは周りの人々の生活に、どんな影響を与えてきましたか?

さて、人にポジティブな影響を与えるためには、自分はどんな人になる必要があると思いますか。少なくとも、あなた自身がポジティブでない限り、人にポジティブな影響を与えることはできませんよね。

別の教授は、こんなことを言います。

人生にもビジネスにも確実なものは一つもない。結果を保証するものは何もないのだ。それでも決断は下さなければならない。

よく言われることだし、その通りだと思いますが、それでも決断をしたくないという自分もいます。言い訳を見つけて新しい挑戦をしないで、決断を下さず、行動を起こさない方が楽なことは多いというのも現実です。現状で良しとする方が間違いなく簡単なんです。

夜中にコンビニでものが買えるって当たり前じゃあないんです

ビジネスでも人生でもクリエイティブな行動を起こすには、勇気と自信が要求されます。「現状で良し」としている限り、勇気は必要ありません。同時に自信を持つこともないでしょう。

楽で簡単な人生。そこには挑戦も無く、クリエイティブな行動も無く、勇気も自信も無い人生。

そんな自分にポジティブな評価をあげることは難しそうです。当然、人にポジティブな影響を与えることなんて、夢のまた夢って感じでしょうか。

「それでも良し」って、心のどこかで囁いている自分がいるのも否定できません。でもね・・・・・。

これを突き詰めていくと、では「何のために生きているのか?」という質問に答えられなくなってしまうんです。

あなたは、自分が幸運だって気が付いていました? 真夜中にお腹が空いても、近くのコンビニに行けば何かしらの食べ物を手に入れることが出来るでしょう。

少なくとも今の日本に居る限り、明日飢えで死んでしまうかもしれないとか、戦火に巻き込まれて死んでしまうかもしれないといった心配を、リアルに感じることはないでしょう(現実的にそんな心配をしながら今日を生きている人たちは地球上にたくさんいます)。

でも、自分の幸運は様々な人の支えの上に成り立っていることにも意識を向けてみませんか。一番身近で言えば、あなたを産み、育て、学校に通わせてくれた親。

別の意味で身近にいるコンビニの店員さん。東北大震災の時、普通なら当たり前にそこにあるコンビニが無くなることが、どれだけ人々の生活に影響を与えたのかを目の当たりにしました。

何のために生きているのか?

コンビニが開いていることも、そこに店員さんがいて笑顔で迎えてくれることも、お金を出して品物が買えることも、全然あたりまえじゃあないんです。

そして、自分の幸運は様々な人の支えの上に成り立っているということは、あなたもまた様々な人の支えとなるべき責任を負っているのです。

だからこそ、コンビニの店員さんにポジティブな影響を与えることが出来る人になる責任が、あなたにはあるってことです。

私は、何のために生きているのか?

別の言い方をすれば、「私の人生のミッションとは何なのか?」。

もの凄く難しい問題で、できれば考えたくもないのですが、この文章を書きながら何となく、もしかしたら「人の人生にポジティブな影響を与えること」なのではないかって気がしてきました。すごく大雑把な言い方で、全然具体的ではないんですけど。

分かりやすいのは“先生”という職業かもしれません。生徒たちに、これからの人生を生きていく上で必要となるようなポジティブな影響を与えるのが、彼らの使命なんだと思いますし、まさに本書に登場する先生たちの話もここに返ってくるような気がします。

職業によって、生き方によって、その影響の与え方は様々なのでしょうが、自分は何を持って、人にポジティブな影響を与えられるのかということを突き詰めていくことが、「私は何のために生きているのか?」という質問の回答に出会える道なのかもしれません。


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