三田 紀房 著 「ドラゴン桜」

三田 紀房 著 「ドラゴン桜」のご紹介。

受験の季節ですね。我が家の次男も大学受験(一浪中)の真っ最中です。

ということで、ちょっと古い本ですが、今日は「ドラゴン桜」を紹介しましょう。第一巻の表紙には、「東大は簡単だ!!」なんて言葉があります。

ドラゴン桜主人公は、中卒で元暴走族の貧乏弁護士桜木健二。経営破綻状態となった私立高校の清算を依頼されたところから物語はスタートします。

破綻を回避し経営状態を良くするためには進学実績、それも東大の合格者数を上げるのが早道と考え、5年後に東大合格者100人を出すことを宣言。

その第一歩として、特進クラスの生徒(2人の落ちこぼれ3年生+α)を現役合格させることを目指す過程が物語の骨子となります。

様々な受験テクニックや勉強法が紹介され、それ自体も当然興味深いのですが、同時に「自分の人生と向き合う」といった辺りが、単なるコミックで終わらず、ストーリーに深みを持たせているのかなって感じます。

代償は “先払い” する必要があるんです

受験勉強は、10日間学校に泊まり込み、毎日16時間の勉強をするというスパルタ勉強合宿から始まるのですが、2人の生徒は、「どこに寝るの!?」「フロやメシは?」「私、朝シャワー浴びないと」と、不満タラタラ。

「好き勝手な生活が送れて東大にも入れる・・・こんなウマイ話、世の中にあると思ったら大間違いだ! 東大というプラチナチケットを手に入れたいんなら、それなりの代償を払ってもらう。『時間』と『自由』だ」

つい忘れがちですが、何事かを手に入れたいと思ったら、「代償を払う」必要があります。

それは、ここにあるような “時間” や “自由” 、さらに具体的に言えば、朝寝坊や帰りがけの一杯だったり、あるいはダラダラとテレビを見ていることかもしれません。もちろんお金という場合もあるでしょう。

逆に言えば、あなたが支払う “代償” 以上に欲しいものがなければ、あなたは代償を払うことをせずに、今まで通りの生活を続けていくことになるでしょう。

アチーブメントの青木先生から、よく聞かされた言葉があります。

「意志は弱い。欲望は強い」

意思の力で毎朝5時半に起きようとするのは非常に難しいけど、でも、なんらかの欲望があれば、毎日5時半に起きることは、そう難しいことではないということです。

例えば、「早起きは三文の得」だからという曖昧な理由だけで毎朝5時半に起きるのは(少なくとも私には)難しいでしょう。これは “意志” の力で起きるってことです。

でも、1年間毎朝5時半に起きることができたら、フェラーリを買ってあげるって言われたらどうです?これは、楽にできそうじゃないですか。こっちは “欲望” ですね。

もしも、フェラーリではなくて靴一足だったらどうでしょうか。

意志は弱くて、欲望は強いんだけど、人はその欲望と見合うだけの代償しか払おうとしないんです。違う言い方をすれば、大きなモノが欲しければ、それ見合った大きな “代償” を払う必要があるってことです。

サービス精神ってとても大切なような気がしてきた

教師たちにも試練が与えられます。ダメ教師たちをいったん全員解雇した上で、再雇用試験を実施することに。

「学校」というテーマが与えられ、そのテーマに対して自分自身で設問を設定し、さらにそれに解答を述べるのですが、教師たちが作った設問は、「理想の学校とは」とか「教師は学校で何をすべきか・・・」などといった内容のものでした。

それに対して桜木は、「全員不合格」と言い渡します。

なぜなら、みんな設問が漠然としているし、それに対する解答も一般論が多く、具体性がまるでないから、というものです。

「なぜ、こういう結果になったか・・・・・それは、あなた方に決定的に欠けている要素があるからだ。それは、つまり『奉仕の心』『サービス精神』だ。

自分の考えをいかに人に伝えるか。これは徹底的に相手の立場に立たなければ成り立たない。『これでわかってもらえるか』と、常にこの疑問を自分に投げかけること。でなければ、このように自分本位で読む側を置き去りにした文章になってしまう」

このブログからしてそうですね。自分では分かった積りになっていて、モニターの向こう側にいる読み手にキチンと伝わっているのか?

もちろん、そういう意識を持って書いている積りですが、もしかしたら自分よがりになっている可能性も否定できないでいます。

これは、単に論文を書く時だけっていうことではなく、日常生活の中で人と対する時、「サービス精神」や「奉仕の心」って大切なポイントではないかと。

なんて言うのかな、ものごとをスムースに進めるためにというのもあるけど、それ以上に、相手に喜んでもらうために、究極的には自分自身が嬉しくなるために、ね。

因みに、論文問題において、説得力のある論を構築するための方法が紹介されています。
  • まず自分の意見を述べる
  • それに予想される反論を述べる
  • その反論を否定して、自分の論理の正当性を証明する
こう列挙してみると、これって英検一級のエッセイ問題に対する模範解答の仕方そのままです。

日本人は不思議と外国語となるととたんに完璧主義になってしまうんだ

そう言えば、英語にまつわるこんなエピソードもあります。

英語の勉強を始めようとすると、「英語は苦手」と固まる生徒。先生は、彼らとこんな会話をします。

「矢島君は、ローラースケートはできるかい?」

「ああ・・・子供の頃にやったよ。滑るだけならできる」

「そう・・・水野さんは泳げる?」

「平泳ぎなら25メートルくらいならいける」

「ん・・・スポーツならちょっとできれば『できる』って言うね」

「そこなんだよ。日本人は、不思議と外国語となるととたんに完璧主義になってしまうんだ。『できる』の基準を『外国人とベラベラ会話する』というふうに意識が固まってしまっているんだ」

要は、気の持ちようってことです。アメリカ人なんかに「日本語はできるか?」って聞くと、「イエース。スシ・サムライ・ニンジャ・・・・・・」なんて答えて、凄いだろって顔していますよね。

だから堂々と胸を張って、「English is my second language, so please speak slowly for me」とか言って、どんどん英語を使えばいいんだ、ということです。

なぜ人は、夢を持っても、それに結びつく努力をできないのだろう?

ある日、桜木は生徒たちを連れて、実際に東大を見に行きます。

「東大を目指すといって、いきなり猛勉強を始める人間はごく少数。たいがいは漠然と願うだけで、そして段々夢は薄れていく。なぜ人間は夢を持ってもそれに結びつく努力をできないのだろう」

そう、「段々夢は薄れていく」んですよね。最初は舞い上がっていた心が、フワフワと地上に落ちて来るんです。地に落ちた “夢” は、あなたの人生の道端に置き去りにされ、そして忘れ去られて・・・・。

「目標を身近に感じられるようにするために、情報を集めることは大切だ。情報を集めれば、実感がわいてきて夢が夢でなくなり、具体的になって努力がしやすい。第三者からもたらされた情報よりも、自分で本物に触れて経験より得た情報これが最も有効なのだ」

目標とするものを、できるだけ具体的に実感として自分の中に持つことが、夢実現への近道です。

旅行に行きたい場所だったら写真を集める、欲しいクルマがあったら試乗してみる、家が欲しかったら住宅展示場に行って、家の中を歩いてみる。

それが、なんとなくボヤーっとしていた目標に、具体的でリアルな “形” を与えるのです。

ドラマ化されたりもしているので内容を知っている人も多いと思いますが、私自身は関連書籍を読んだり、作者の三田さんにお会いしたりしたこともありで、ちょっと思い入れの深いコミックなんです。

なんてこと言いながらも、持っているのは全21巻の内の7巻までなんですけどね。今回読み返してみて、是非とも全巻揃えてみたくなりました。


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