中村 俊輔 著 「察知力」

中村 俊輔 著 「察知力」のご紹介。

著者は言わずと知れた、あのサッカー選手の中村俊輔です。

「サッカーノート」&「ゴルフノート」

中村俊輔は、高校2年生の時、サッカー部のメンタルトレーナーの先生から勧められ、「サッカーノート」を書くようになり、それは10年以上経った現在(本書執筆時)も続けているそうです。

察知力試合前に、試合でのテーマ、何を意識してプレーすべきかを書く。そして、試合の振り返り、感想、攻撃面と守備面の良かったところ、悪かったところ、チーム全体のこと、更にはチームメイトはもちろん、気になった相手選手のこと等々。

また、明日からの練習で、やらなくちゃいけないこと。補わなくちゃいけないこと、どんな練習をすれば、足りない点を伸ばせるのか? などなど、いろんなことを考えて書いているそうです。

これって、以前紹介した「ゴルフ 巧くなる人 ならない人」の中で、著者の江連 忠さんが言っている事とまったく同じ。

江連さんは、「巧くなるという人は何かしら必ずノートを取っている」と言っています。

例えば、江連さんの教え子の一人は、最初100前後だったスコアが、2年目で70台で回れるようになったのですが、彼は綿密な「ゴルフノート」を毎日書いていたそうです。
  • レッスンの項目と内容
  • 教えてもらった事が、体でパフォーマンスできたか。巧くできなかった理由、原因は何か。
  • 明日の課題を何に置くか
  • 実践ラウンドのテーマを3つ決める
  • スコア、パット数、天気、残りの距離と使用したクラブ
  • 反省ポイント
「書く」ということは、自分の頭の中にあることを整理する必要があります。

中村俊輔も江連忠も同じことを言っています。書くという作業をすることで、自分の気持ちや考えを整理でき、それを繰り返すうちに自分のことを客観的に見つめることができるようになると。

自分の思うようにはいかない現実を不満に思っていても、いいことは何もない

小学生のころから頭角をあらわし、素晴らしいプレーをしていた俊輔は、中学に入学すると、何百人という子どもたちと一緒に、日産FC(現・横浜マリノス)のジュニアユースチームの選抜試験を受け、加入することになります。

当時、中2で試合に出る選手は少ない中、俊輔は試合にも出れるようになり、中3になるとレギュラーに選ばれます。

でも、だんだんと先発から外されていくようになったのです。

「なんでだよ、俺の方が巧いのに」と不満に思い、ふてくされて、結局、中学卒業後のユースチームに上がるメンバーにも俊輔は選ばれませんでした。

後になって気がついたことは、「試合に出られている現状に満足しきっていた」ということ。

「なぜ外されてしまったのか?」を考えなきゃいけないのに、原因を考えもせず不満を募らせ、イライラとしていただけだったのです。

物事が起きるには、絶対に何か原因があるはず。自分の思い通りにことが進まないなら、その原因を察知して解決の糸口を見つけ出せばいいのに、それをしなかったばかりに回り道をしてしまった。

この経験があるから、俊輔はすべての時間がもったいないと感じるようになり、常に周囲の空気を読んで、未来を察知して、準備をしようと考えるのです。

「自分の思うようにはいかない現実を不満に思っていても、いいことは何もないから」

これはまた、俊輔の中に常に存在している “危機感” へと繋がっていきます。それは、

「置いていかれちゃう」

という思い。

何に対して置いていかれるかは、その時々で違うけど、この危機感がなくなる時がサッカーを辞めるときだろうと言っています。

だから、いつも先を見て、周囲を見て、空気を読んで、自分に足りないものは何かと察知して、準備しなくちゃいけないと常に考えているのです。

何かにチャレンジしている人の前にだけ、その “壁” は現れるんです

「サッカーノート」には、1年後、3年後、その先の長期という形での目標も書いてあります。

「目標を書いておけば、自然と、それを意識した日々を送ろうと努力するものだから」

これは、真理です。以前紹介した「ドラゴン桜」の中にこんな一節がありました。

「人間は、はっきりとゴールが見えれば準備をし、達成へと着実に進む。逆に目標を持たなければ漂流しやがて無気力になっていくんだ」

長期目標があって、中期目標を設定し、更に短期目標へと噛み砕いていく。遠くのゴールに到達するためには、今日何をすべきなのかってことですね。

「日々を過ごす中で、小さな課題を設定し、それをクリアし、クリアできたら次の課題を目指すようにしている。ハードルを一つずつクリアする感じだ。そのハードルをどんなものにし、どういう状態で立てるか、それを想定するために必要なのが目標を設定することだと思う」

目標を設定して、それに向かって進み始めると、必ず出会うことになるのが、いわゆる “壁” ってやつですね。

この “壁” については、このブログの中でも何度も触れてきました。ランディ・パウシュ教授は、「その壁の向こうにある “何か” を自分がどれほど真剣に望んでいるか、証明するチャンスを与えてくれる」ために現れるんだって言っています。

中村俊輔は、その壁をこんな風に表現しています。

「難しい状況に立ち向かい失敗したとしても、そういうときは課題が出たということだから、『課題が見つかったぞ、よかったな』と僕は感じる。その課題を拾って、また考えて、練習すればいいと」

これは、ここで紹介した池松耕治さんのお話と同じことです。

問題にぶち当たったら、それはあなたを成長させるために与えられた問題なんだから、ありがたいって感謝しましょう。問題とは、神様からのプレゼントなんだよって。

「目の前の壁をネガティブなものだと感じれば、それを越えていく作業にも余分なエネルギーを使うことになるけれど、『この壁を越えれば、またひとつ引き出しが増える』とポジティブに考えれば、壁を越える作業も楽しいものとなる」

本書には、この「引き出しを増やす」という表現が至る所に出てきます。「引き出しを増やす」とは、シンプルに言えば成長するってことですよね。

そう、人は「問題にぶつかることでしか成長できない」ものなんです。

なりたい自分になるために

全体を通して感じるのは、「ストイック」という言葉でしょうか。ある取材で、サッカー選手として、誰にも負けないことは何かと聞かれて、

「妥協しない姿勢」

と応えています。そして、「今、突然サッカーができない体になっても、極端な話、今死んでしまっても悔いはないな」と。

それは、毎日を100%妥協しないで生きているから。

「今の自分にできることを、手を抜くことなくやった、という実感を持てる毎日を過ごすこと。簡単そうに見えて、これが難しい。なぜなら人には甘えがあるから。なりたい自分になるため、100%で生きることができれば成功だと思う」

だからこそ、いまある自分を認めることができるのでしょう。

「その日できる最善のことを、それがたとえ一番キツイことであっても、100%でやっている。そんな毎日を過ごし、妥協してこなかったから今の自分がある」

「だからこそ今の自分がある」って、(もちろん肯定の意味で)言える自分になりたいです。




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