中村 文昭 著 「お金でなく、人のご縁ででっかく生きろ!」

もう何年も前になりますが、中村文昭さんの講演会に行ったことがあります。先日、その話の内容を書き綴ったメモが出てきて、その時受けた大きな感銘を鮮やかに思い出しました。

中村文昭さん現在、中村文昭さんは有限会社クロフネカンパニーの代表取締役社長を務めながら、相変わらず講演活動も精力的に継続されているようです。

中村文昭さんの講演のテーマは、そして人生のテーマも「人のご縁」なんだと思います。

中村さんは、「お金でなく、人のご縁ででっかく生きろ!」の著者でもあり、こちらの本の内容も交えながら、当時のメモを頼りに講演会の内容を蘇らせてみたいと思います。

こちらHPにも詳しくありますが、高校卒業と同時に、3歳年上のお兄さんを頼って、三重県の田舎から上京してくるところから話は始まります。

東京生活初日に、防衛庁と警察署で尋問され

上京してお兄さんの下宿に着いた翌日、中村さんはブレーキの壊れた自転車で近所を走り回りますが、知らないうちに両側に衛兵の立っている門を突破してしまいます。

サイレンが鳴って、四方から走りよってきた人たちに取り押えられ、厳しい尋問を受ける羽目に。そこは、防衛庁の管轄施設だったのです。

防衛庁の取調官から実家の母親にも連絡され、「ここには二度と立ち入りません」という誓約書を書かされ、5本の指で拇印を押してやっと解放されます。

その帰り道、もう自転車に乗るのはやめようと押しながら歩いていると、前からお巡りさんが歩いてきたそうです。

中村さんの嫌な予感の通り、そのお巡りさんに呼び止められ、「あんた、この自転車どこでかっぱらってきたんだ」って言われます。

もちろん弁明するも、結局警察署に連れていかれ、事情聴取を受けることに。

そして、再び実家の母への電話です。防衛庁から電話の20分後、今度は警察からの電話を受けることになるお母さんは、泣きながら、「もう帰ってこい」と中村さんに言います。

それでも疑いが晴れて、そのお巡りさんに先ほど防衛庁で大変な目にあってと話をすると、お前おもしろ奴だなって、ゲラゲラ大笑いされ、結局このお巡りさんが東京に出てきて中村さんの最初の友達になるのです。

友達になったお巡りさんと何度も会ううちに、警察の人たち皆が中村さんのアルバイト先を探してくれ、土木現場やドーナッツ屋で働くことになります。

そして、お巡りさんお気に入りの焼き鳥屋にもしょっちゅう連れて行かれるのですが、ある日、中村さんはこの焼き鳥屋で人生を根底から変える運命の出会いをすることになります。

えらいちっぽけなことに基準を置いてるんだね

出会ったのは、九州熊本出身の田端さんという方で、この出会いの時から中村さんの生涯の師匠となる人です。

焼き鳥やで田端さんは、「三重県から何がやりたくて出てきたんだ」と中村さんに問いかけます。

中村さんは、何がやりたいのか分からないけど、もっとお金が欲しいんで、もっとお金になるような仕事をしたいと思っていると言います。

田端さんはゲラゲラ笑いながら、「お前18歳で若いくせに、えらいちっぽけなことに基準を置いてるんだね」って言います。

お前の判断基準は損得だけなんだね、要は儲かるか儲からんかだけなんだね。何で18歳でね、夢いっぱい、希望いっぱい、志いっぱいという年齢の時に、そんな金のことばっか言うんかね、って。

「誰も彼も、お金を儲けることばかり言うけど、お金をたくさん稼いで、欲しいもの買って、行きたいとこ行って、幸せかい? 年取って、棺おけに片足踏み入れた時に、我が人生満足だったなあ、完璧だったなあ、思い残すこと無しって、自分に言えるか?」

そんなことを言われます。

田端さんに、「お前ね、この命の使い道、考えたことあるか?」って問われ、そんなこと考えたことも無いって答えると、「ああ、それじゃあ、お前の人生ぶれっぱなし。損得だけでぶれっぱなしになるよ」と。

このフレーズを聞いたとき、私は大分前に「情熱大陸」という番組の中で、矢沢永吉さんが話していた1シーンを思い出しました。

それは、現在の矢沢さんが、デビュー当時の自分のインタビューのシーンをビデオで見て言った言葉ですが、

「これね、矢沢が自分のことだからと言ったと思わないで欲しいんだけど、こいつ(ビデオの中の若かりしころの自分のこと)ね、ぜったい成功するよ。だってね、言っていることがぶれていないもの」

すごく印象に残っていたんですね。ぶれない人生。自分の命を何のために使うのかを知っている人生とは、しっかりした「人生理念」を持って生きる人生といったところでしょうか。

田端さんの言葉は続きます。

「どんな会社に入るか、どんなかっこいい肩書きのついた職業に就くのかじゃあないよ。お前、何のために仕事をしてね、どんな人間になりたいか、それ考えたほうがいいよ」

この田端さん、この時26歳で軽トラに野菜や果物を載せて行商をしながら、六本木に飲食店を持つことを夢見て働いていました。

世間の誰も彼もが、言われた瞬間に「我が都合」が出る

結局、中村さんは田端さんに弟子入りして、18歳から21歳までの約3年間、行動を共にすることになります。

さて、軽トラに乗っての行商第一日目、中村さんを様々な試練が襲います。

先ずは、新入りのお前には特別にやってもらいたいことがある、皆よりも更に目だってもらうためにと言って、キュウリを2本、頭の横に立てろって言われます。

「はっ? キュウリを立てろって、そんなバカな、それ冗談でしょ」って思って、勘弁してくださいよ、そんな恥ずかしいことできませんよって言うと、

田端さん、中村さんの胸倉を掴んで、「冗談なんか言っていない。俺は本気で言っているんだ。恥ずかしいとか、やったこと無いし、なんとかだからなんて、お前の都合なんか聞いていない」って言われます。

「師匠ってついてくるんなら、『ハイッ』って素直な返事しろよ。俺から言われる言葉に対して、先ずは返事。0.2秒で『ハイッ』って返事をしろよ。

世間の誰も彼もが、言われた瞬間に『我が都合』が出る。その『我が都合』のフィルターを通して、損なのか得なのかって頭の中でそろばんをはじき始めるんだ。損得考えてからじゃないと、返事ができない。それが人間なんだよ。

でもな、この人についていって、この人から学ぼうって思ったら、返事は0.2秒」

できない理由を言わせたら、おまえは天才だ

さて、団地に着いて軽トラから荷物を広げて開店すると、次の試練が待っていました。中村さんは、頭の横にキュウリを立てて、半被を着た格好で、軽トラの屋根の上に上がれって言いつけられます。

中村さんの反応は、さっきと同じです。

「はっ? この格好で屋根の上に上がるんですか! ちょっと待ってくださいよ、そんなこと言われたって」なんだか、かんだかって言った瞬間に、また胸倉を掴まれて、

「お前の都合は聞いとらん。恥ずかしいか、どうかとか、俺はそんなことは聞いとらん。やるんか、やらんのか」

中村さん謝って、集まってきたお客さんの視線を恥ずかしく感じながら、屋根の上に上がります。

さらに追い討ちをかけるように、「遠くのお客さんにより目立つように、遠くのお客さんが今日は祭りでもあるのかしらと錯覚するくらい楽しい雰囲気を作れるように、お前そこでいっちょう派手に踊りなさい」。

中村さんは、もう勘弁して下さいよって思いながら、怒られるかもしれないけれど、もうあんたにはついていけないかもしれないって思いながら、

「ぼく、こないだまで高校生だったんですよね。そんなことやったこともありませんし、恥ずかしいですし、人も見てるじゃないですか、車も通ってるのに」って、ぐちゃぐちゃ言っていると、田端さんは中村さんの足を持って車の屋根から引きずり降ろし、ビンタを一発。

「じゃあ、おまえ三重県帰れ。おまえ口ばっかりじゃねえか。もう三重県帰ってね、うろうろ言い訳しながら生きていきなさい。

俺、おまえに難しいことやれって言ったかね。俺、おまえにできもせんことやれって言ってないよ。100m9秒台で走れとか、学校ろくすっぽ行っとらんかったおまえに、数学の難しい計算式解けとかって言ったかよ、おまえ。ただ、踊れって言っただけだろ。

高校卒業したてだからできません。やったことが無いからできません。恥ずかしいからできません。人が見ているからできません。おまえね、憶えとけ、できない理由を言わせたら、おまえは天才だ」

考え始めたら、できない理由、売れない理由なんて、腐るほどあるぞ

田端さんの言葉は続きます。

「人間が夢叶わないのは、なんでか知ってるか? できない理由をいっつもいつも考えてるからなんだよ。

営業マンがなんで物売れないか知ってるか? 売れない理由をいっつもいつも考えてるからだ。不景気だから、競合他社がたくさんいるから、みんな安売りし始めたから、よそは宣伝広告バンバンうってるから。

もう考え始めたら、できない理由、売れない理由なんて、腐るほどあるぞ。でもね、立ち向かうしかないんだろ。切り開くためにはさ」

中村さんは、講演のために日本全国、いろんなところに行きながら、夜は居酒屋にいったりするそうです。そこではサラリーマンの方々が酒を飲みながら、皆どこも変わらない会話をしています。

「売れない理由です、先ず。上司の悪口ですよ。で、会社の方針になんか首を傾げてるって、なんかそんな話ばっかりです。もう、できない理由のオンパレードをね、北は北海道から南は沖縄まで、毎晩毎晩居酒屋でやってらっしゃる」

これを見ると、中村さんはいつも思うそうです。「僕ら馬鹿だったけど、できない理由は考えなかったよな。今、すぐ動いたよな」って。

恥ずかしながら、思い当たる節は私にもたくさんあります。

最後に中村さんは、講演を次のように締めくくります。

「仕事は何をやったって、うまくいかないだろうし、何をやったって厳しいことがあるだろうけど、それはメッセージですよね、成長していくための」



コメント:
自転車には登録番号があるので実家に電話しなくても登録番号を調べればその場で盗難車両かどうかわかる。
[2015/10/05 13:08] | ‥ #- | [edit]












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック:
トラックバック URL:

http://55life555.blog.fc2.com/tb.php/442-98dd4862

<< topページへこのページの先頭へ >>