「Leadership and Self-Deception」のご紹介

著者は、The Arbinger Institute というコンサルティング会社です。

箱の中この本を読んだのはもう数年前のことになりますが、当時は日本語版は絶版になっていて、アマゾンのマーケットプレイスで探したら、確か一万円近い値段がつけられていた記憶があります。

現在、「自分の小さな『箱』から脱出する方法」という題名で出版されています。

原著の副題が「Getting out of the box」なので、邦題は副題から付けられたんですね。

アマゾンのレビューを見てもらえば分かりますが、絶賛の嵐です。私自身、数年経った今でも、深く印象に残っており、この本は自信を持っておススメできます。

優良企業Zagrum社に管理職として途中入社してきたTomが、そこのエグゼクティブバイスプレジデントのBudからミーティングという形での個人研修プログラムを受ける過程で、自己欺瞞とは何か、その弊害は、そしてその克服法までを物語形式で解き明かしてくれます。

自分を守るために「箱」の中に入っているんです

題名(原題)の Self-Deception を日本語にすると「自己欺瞞(ぎまん)」になるでしょうか。端的に言えば、自分で自分の心をあざむくことです。

でも、何のために、そんなことをするのでしょうか?

あなたは運転をして家に帰る途中、フッとガソリンを入れようかなと思います。でも、奥さんが入れてもそれほど大変ではないだろうと、結局は空のまま家に帰ります。

身障者用駐車スペースに車を停めたあなたは、車を降りると足を引きずって歩き出します。あるいは、私には重要で緊急の用事があるんだとばかりに走って車から離れていきます。

これらが「自己欺瞞」の具体的内容です。

Zagrum社では、自己欺瞞のことを「in the box」と表現しています。

自己欺瞞とは先に書いたとおり自分をだます事なんですが、もう少し言うと、自分の良心や本心に反しているのを知りながら、それを自分に対して無理に正当化することです。

自己正当化によって自分を守るために「箱」の中に入っているんです。

そして自己欺瞞から抜け出すことが「箱」の外に出ること、すなわち「Getting Out Of The Box」ということになります。

「箱」の中にいる人と、「箱」の外にいる人との違いは

座席にゆとりのある飛行機に乗ったとき、あなたは自分の隣の席に鞄をおいて、この席は「私のものだ」と無言の主張をしたことはありませんか。

あなたの後から乗り込んできて席を探している乗客は、あなたにとって「敵」にしか見えない?

その時、あなたは「箱」の中に入っており、自分のことしか見えず、他の人は物体(Objects)として認識しているにすぎません。

別の時、あなたは夫婦で飛行機に乗り込みます。その飛行機は混み合っており、周りを見回しても二人で隣どうしに座れる席は見当たりません。

あなたが困っていると、遠くの席から女性が立ち上がり、自分の隣に2つの席が空いているので一緒に座れますよ、と声を掛けてくれました。

混み合った飛行機で声を掛けてくれたこの女性は、後から乗り込んできた人たちを、自分と同じ「人」として認め、「いずれにせよ、彼らはどこかに座らなければならない。だったら、それは自分の隣でも構わないじゃないか」という結果(result)に焦点を合わせているのです。

これが、「箱」の外に出ている状態です。

人は常に「箱」の中にいるわけではなく、「箱」の外出ていこともあるわけです。それは、状況や、相手によって変化します。

自己正当化とは、現実を歪めて見るということ

では、どういう時にあなたは「箱」の中に入ってしまうのでしょうか。

キーワードは「Self-Betrayal」。なんと訳せばいいのかな? 「自己背信」? 自分自身を裏切るってことです。

あなたが、誰か他の人の為にやってあげたい、やってあげるべきと感じながら、その反対の行動(やらない)を取ることで自分自身を裏切るんです。

先のガソリンの例も障害者用駐車スペースの例も、「Self-Betrayal」な行動ということになります。

そんな行動を取った時、自分自身に後ろめたさを感じ、その感情を否定するために自分の行動を正当化しようとします。

奥さんが入れても大変ではないよなとか、自分には急ぎの大事な用事があるんだって考えることが、自分の行動を正当化するってことです。

その時、あなたは「箱」の中に入ります。

自己正当化とは、現実を歪めて見るということです。「箱」に入った瞬間から、あなたは現実を正しい目で見ることができなくなってしまうんです。

自分は正しい。間違っているのは他の人だ。

「箱」に入ると同時にあなたは、他の人の失敗を膨らませ、自分の美点を膨らませ、自己正当化に役立つものを膨らませ、そして人を非難し始めます。

別の言い方をすると、「箱」に入っている状態とは、他の人を非難している状態でもあるんです。

次の例は、自分自身思い当たる点が多過ぎて、笑ってしまいました。

あなたの息子は、最近あなたの頭痛の種になっています。中でもあなたを一番悩ませているのは、彼の帰宅時間が遅いということです。

ある日、彼はあなたに彼女と出かけるのに車を貸して欲しいと頼みます。

貸したくないあなたは、彼が受け入れることができないような帰宅時間を条件に、彼に貸し出すことを承諾します。

そしてその夜、夫婦で息子の非難をしながら待っていると、息子は約束した帰宅時間の1分前に帰ってきました。

さて、その時のあなたの感情はどういうものでしょうか。今日は、約束を守って偉かったと感じていたのでしょうか。息子を褒めてあげようと思ったのでしょうか。

実際には、あなたが真っ先に持った感情は「失望」でした。

「箱」の中にいるあなたが最も必要としているものは、自己正当化できる理由なんです。他の人を非難する理由が欲しいんです。

だから、「失望」したのです。

この感覚、私には本当によく理解できます。

自分を正当化する必要性をなくせばいいんです

逆に、「箱」の外にいる状態とは、どういうものだと思いますか。

それは、あなたが自分以外の人を、自分と同じように希望や、必要性や、そして心配を持っているリアルな、そして正当な「人」として見ることができている状態です。

「箱」の外に「居続ける」ためには、あなたが他の人の為に「してあげるべき」、「してあげたい」、また「してあげることが出来る」と思うことを、(自分を裏切らずに)してあげることです。

言うは易し、行うは難し、ですけどね。

なので、いつもいつも出来る訳ではないので、「最善を尽くす」ということでしょうか。そうすれば、それが出来ないときにも、自分を正当化する必要がなくなってくることでしょう。

この「自分を正当化する必要がない」というのが大事なんです。

自分自身に焦点を当てるのではなく、「結果」に焦点を当て、やるべきことを「最善を尽くして」やっていくことが、結局は自分のためになるのです。

最後に、心に留めておいて欲しいこととして、以下の点が紹介されています。
  • 完璧を求めずに、ベターを追い求める
  • 他の人の「箱」を探さずに、自分の「箱」を探すこと
  • 他の人が「箱」の中にいることを非難せずに、自分が「箱」の外に居続ける努力をすること
  • 自分が「箱」の中にいることに気づいたとき、諦めずにトライし続けること
  • 他の人が間違ったことをしていることに焦点を当てず、その人を助けるために何が出来るかに焦点を当てる
  • 他の人があなたを助けてくれているかどうかではなく、あなたが他の人たちを助けているかどうかを考える


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