「願わくは、我に七難八苦を与えたまえ」 --- 何のために?

先日、俳優の夏八木勲さんが鬼籍に入られました。ご冥福をお祈りいたします。

鶴見川の夕日

七難八苦=自分を成長させてくれるありがたいこと?

とても好きな役者さんの一人でした。

もう40年近い昔の話なので、もしかしたら記憶違いかもしれませんが、深夜にTVで放映されていた昔の映画を見ていたら、若き日の夏八木勲さんが出演されていました。

彼が演じていたのは、尼子再興に尽力する山中鹿介(鹿之介)です。

映画の中で夏八木勲扮する山中鹿介は、敵に囲まれた城の中で雨に打たれながら天に向かって叫びます。

「願わくは、我に七難八苦を与えたまえ」

今でもそのシーンを思いだすことが出来ます。そのシーンを見ながら涙を流していました。横には母親が寝ていたので、泣き声を聞かれるのが恥ずかしくて必死に抑えていたんです。

どんな感情で泣いたのかは正確には覚えていません。ピンチに立たされた山中鹿介が可哀そうという感情もあったでしょう。

でもそれ以上に、尼子再興に命を懸ける山中鹿介の思いの強さに感動していたんだと思います。

「我に七難八苦を与えたまえ」とは、尼子再興のためにはどんな苦難にも負けないし、苦難が大きければ大きいほど自分はより成長出来る、成長できればそれだけ尼子再興が近づいてくる、という思いなんだろうと想像します。

「悪評の続く限りおれは成長してみせるよ」

普通に考えれば、苦しいことや困ったこととは対面したくありません。可能な限り避けて通りたい筈です。

毎度引用させて頂いているジェームス・スキナーの言葉を借りれば、

感情は人生そのもの。あなたが欲しいものはすべて、突き詰めて言うならば感情なのだ。

ってことになりますが、「欲しい感情」とは当然 “好ましい” 感情のことです。そして通常は、苦しいことや困ったことと、“好ましい” 感情とは結び付かない筈なんです。

なのに、山中鹿介は「七難八苦」を “嬉しい”、“有り難い” といった感情と結びつけていたのです。なぜなら、七難八苦が自分に成長をもたらしてくれるから。

それは、山本周五郎の短編の一つ「四日のあやめ」に登場する五大主税介も同じでした。

世間から不当な汚名を被せられた時、彼はこんなことを言います。

「おれは悪評されだしてからだいぶ成長した。これまで褒められてばかりいたし、江木にも古武士の風格があるなどと云われて、自分では気づかずにいいつもりでいた。だが、悪く云われだしてから初めて、その『いいつもりでいた』自分に気が付いた。それだけでも成長だし、これからも成長するだろう、悪評の続く限りおれは成長してみせるよ」

「困難」や「問題」を “好ましい感情” と結びつけることが出来れば

「人を動かす人の習慣」の紹介の時にも触れましたが、松本守正さん曰く「生き方には3通りある」とのこと。それは、逃げるか、守るか、攻めるかの3通りです。

そして山中鹿介や五大主税介のような(そこまで言わないまでも)攻める生き方をするには、 “成長” し続けることが求められます。

成長するから攻める生き方が出来るし、攻める生き方が成長させてくれるという面もあるでしょう。

いつも忘れないようにしている言葉の一つにこんなのがあります。

自分の感情を大切にして、自分のやりたいことだけしかやらないということは、
これからも、これまでと同じような人生を生きていくことを意味している。

全くその通りと反省しきりですが、言うは易し行うは難しというところです。でも、それで済ましてしまうわけにはいかないのでしょう。

「嫌な感情」から逃げ続けて生きていくことはできないってことです。逃げる人生を生きるのであれば別ですが。

どうするか?

山中鹿介や五大主税介と同じことをすればいいのです。

困難や問題 = 忌わしく避けるべきこと ⇒ 嫌な感情

というパラダイムを、

困難や問題 = 成長させてくれること ⇒ 喜ばしい感情

に転換(パラダイムシフト)するってことです。やはりどうしてもここに戻ってくるようです。

ジェームス・スキナーは、

何に快楽を連想し、何に痛みを連想するか、が人生の違いなのである。

と言い、アチーブメントの青木先生は、

人生の違いは、考え方の違いである。

と言いました。

とは言え、簡単な事ではありません。「問題=困った」と “反応” するのではなく、「問題=有り難い」と “選択” し、その選択を繰り返し行うことで “習慣” としていくしかありません。

地道な長い道のりです。でも、自分から困難を探していけば、意外と短い道なのかもしれません(苦しいことには変わりはないと思いますが)。



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