盛田賢司著 「しっぷうどとう」

盛田賢司著のコミック「しっぷうどとう」のご紹介。

剣道を題材にしたスポーツ青春成長物語です。ストーリー展開はオーソドックスで、読む前からなんとなく終わりまで想像できてしまいますが、逆に安心して読み進めることができます。

どうせ、おれなんか・・・・・

志望校に落ちて、第3志望の「バカ高校」に主人公が入学したところから物語はスタートします。

しっぷうどとう
どうせ・・・おれは
おれでしかない・・・・・

何をやっても
さえない、
つまんない
おれなんだ

そう言ってりゃ
何も望まなくていい。
そう思ってりゃ
何もうしなわなくていい。

自分のことを、こんな風に考えている高校1年生です。

でも、こんな感じの「つぶやき」、多くの人にとって身に覚えがあるのではないでしょうか。少なくとも私には馴染みの感情(?)ですね。

ある時はこんな風に感じ、またあるときは「いやいや、そんなわけないじゃん」って否定して、この間を行ったり来たりしている自分がいます。

盛田さんの絵がキレイで、主人公がどう見てもイケメンなんで、「ちょっと、どーなのよ?」って感じもありますが、でも、とても感情移入しやすいスタートです。

おれに期待していいのか?

この高校、剣道部があって、部員が4人しかいないので5人で成り立つ団体戦に出ることができなくて、でも一人ひとりの実力は高くてという、まあ物語の展開的には好都合なシチュエーションなわけです。

中学まで何のスポーツもしたことがなく、運動ダメダメな主人公が剣道部の見学に行って、初めて面と胴を着けて練習試合をするシーンがあります。果敢に打ちにいくも、もちろん打ち込まれて失神してという流れなのですが、その帰り道、こんなことを考えます。

やっぱり おれは
今までの
おれだ・・・・・

でも・・・あの時・・・少しの間だけでも・・・・・
おれは、おれじゃないような気がした。

おれは・・・おれに期待していいのか・・・・・

この「おれに期待していいのか?」なんですよね。もうこのセリフで心をガッチリと掴まれてしまいました。そうなんです。あなたは自分に期待をしていますか。

自分に期待をしてはいけない。
自分に期待をしたら失望するだけ。

そんな風に(無意識の内に)思って(感じて)いませんか?

そして最初のセリフになるんですよね。期待をして出来なかったら失望するけど、期待をしなければ何も失わなくて済みます。だから、「おれなんか、こんなもんだよ」って思って、安全領域の内側に留まる選択をするんですよね。

でも、心のどこかで「外に出たい、外に出たい」という思いがグラグラと煮えたぎっている。それが本書の主人公であり、また私(あなた)でもあるんです。

背を向けずにちゃんと向かい合う

この主人公、中3のときに同級生に告白して振られてるんです。そして高校に入って、その彼女の彼氏と剣道で試合を行うという、お約束のストーリー展開もあります。

この彼氏との試合は無様ながらも何とか勝利し、少しずつ成長し、そして格上の強豪相手と戦いながら、こんなことを思うのです。

ふられる
ぐれーなら
片思いでいい。

遠くで彼女を
見てるだけで
いいんだ・・・・・

彼女に嫌われることが
いやだったんじゃない・・・・・

ふられて無様に見える
自分がいやだったんだ。

だけど違う、
カッコいいとか悪いとか、
そんなこと どうでもいい。

背を向けずに
ちゃんと向かい合うってことが、
一番カッコいいんだ!

「無様に見える自分がイヤ」なんですよね。本当にそう思います。「カッコ悪い自分をさらすのが怖い」んです。私にとっても、これが大きな壁なんです。ランディ・パウシュ教授が言っていたレンガ壁なんです。

「少年達よ、未来は」で書いた通り、私は「みっともない」って感情をすごく避けようとする傾向があるのですが、でも本当は「背を向ける」のがみっともないのであって、きちんと向き合って、その結果が失敗であっても、それはみっともないことでもなんでもないんですよね。

「背を向けずに、ちゃんと向かい合う」

背を向ける人生から180度向きを変えて、ちゃんと向かい合ってみましょうか。

その勇気があるかな(→オレ)。

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