荒川 弘 著 『銀の匙』 第11巻 -- 今は無理でも、いつか絶対

2014年の一番最初のブックレビューとして荒川 弘 著 『銀の匙』を紹介しましたが、その第11巻が発売されたのを読んだら、私の琴線に触れるようなフレーズがあったので、再びのご紹介。

(余談ですが、「琴線に触れる」は「きんせんにふれる」で、本来の意味は「感動や共鳴を与えること」。文化庁の調査では約1/3の人が「怒りを買ってしまうこと」と間違って理解してるそうです)

いよいよ青春マンガの王道である “成長” が顔を出してきたかな

銀の匙11巻さて、『銀の匙』第11巻。本の中でも3月になり、登場人物それぞれが自分なりの旅立ちの時を迎えようとしています。

表紙の八軒勇吾も高校2年生になろうとしていますが、最初の頃に比べると随分と成長した顔になっています。

前回紹介したとおり、個人的には出て来る食べ物が(素材も料理も)「もの凄く美味しそう!」ってのが一番の印象だったのですが、高校入学から1年が経過し、登場人物たちも様々な形で “成長” をしていきます(王道ですね)。

第11巻は、八軒勇吾のその成長ぶりが話の主題になっていますが、勉強ダメダメだったヒロインの御影アキも少しずつ、そして着実に成長しています。

そんな御影アキの言葉から紹介していきたいと思います。

世界レベルのバーの高さを皆で見ながら

八軒勇吾も御影アキも馬術部に入っているのですが、ある日、障害で飛び越えるバーを「世界レベルのバーってどれ位の高さ?」ってことでセッティングしてみるのですが、その高さに驚きます。

アキは子供の頃、初めて競技を見た時、大きい馬が自分の頭より高いところを跳んでいくのを見て衝撃を受け、そこから一気に障害馬術に引き込まれたんです。

そんなアキが、こんな話をします。

「でもその時は、自分の身長より高いバーを跳べるなんてちっとも思ってなくて、馬かっこいいなー、くらいで。
ところが今はその1mオーバーの障害をぽんぽん跳べるようになってるワケでしょ?」

そして、「世界レベルのバー」を見ながらこんな言葉を言います。

「なんかね、今は無理でも、これもそのうち跳べるようになると思うんだ」

そして力強く続けます。

「きっと、絶対」

(私もアキと同じく)なんかね、(うまい言葉が思い浮かばないけど)人の “成長” って、すべてこの言葉に集約されてくるような気がするんです。

「今は出来ない。でも、いつかきっと出来るようになる日が必ず来る筈だ!」って。

もう何十年も前に初めて自転車に乗った時、全然乗れなくて。その時、こんな言葉を心の中で思った筈もないけど、でも気持ちは間違いなくこれだった筈なんです。

自分で「なりたい!」「なれる!」って思う人だけが、そうなれるんです

「いつか必ず出来るようになる」という思いが(意識している、いないに関わらず)あるから、人はそのことに挑戦するわけです。

逆に言えば、その「思い(確信)」が無い人に、その挑戦はあり得ないんです。挑戦することを諦めた人たち。これが「夢」を失うということです。

「いつかそうなりたい」とか「必ずそうなれる筈だ」って思いが無ければ、人はそれに挑もうとはしないでしょう。最初から負けを認めている試合に挑む人はいないんです。

なぜなら、そこには “痛み” があるから。

やる前から “負け” が分かっているなら、“痛み” を避けたいと思うのは普通の感情ですよね。

でもね、“やる前” に「自分は負ける」「自分には出来ない」と思っていたとしても、実際には多くの場合、“やった後” に初めて結果がわかるんです。「やってみなけりゃ分からない」ことが大多数。

これまでに何度も紹介しているヘンリー・フォードの名言、

『あなたが「できる」と思おうと「できない」と思おうとどちらも正しい』

って、この事を言ってるんだと思うんです。

「できる」と思うから挑戦し、その結果として「できる」ようになる。「できない」と思う人は、最初から挑戦することが無い訳ですから、「できない」ままの状態でい続けます。

結局、「人生の違いは、考え方の違い」なんですね。

人生という学校は、どこ耕してもいい宝の畑だ!

おまけ。

進路指導で相談する八軒に、担任の先生はこんなことを言います。

学校ってのはさ八軒、おまえらのためにある畑なんだよ。
そりゃ規則があって窮屈なところもあるけど、どこ耕してもいい宝の畑だ。
頭で学ぶも良し。
胃袋で学ぶも良し。
筋肉で学ぶも良し。
機械から学ぶも良し。
動物から学ぶも良し。
人から学ぶも良し・・・・・
そういう人たちとのつながりを作るのに丸々3年費やしても良し。
どこを耕すかは自由だ。

なるほどなー、って。

「学校」を「人生」に、「八軒」を「自分の名前」に置き換えてみましょう。

人生も同じですね。



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