メガネや虫眼鏡は、眼の水晶体と “合算” した上で考えるべし

レンズの話も4回目に突入です。

レンズの基本中の基本と言えば、レンズの光軸に平行に進んできた光線は、レンズの後ろの一点に集まり(ここが焦点)、逆に焦点を通った光線はレンズを通過後、光軸に平行に進む。

これくらいはまだ知識として残っているのですが、実際の場面でレンズを使おうとすると、何にも理解していなかったなってことに最近気が付きました。

例えば、レンズの話の1回目で書いた虫眼鏡の倍率の考え方も、実は(なんとなくだけど)ずーっと疑問として心のどこかに引っかかっていたんですよね。

明視距離(25cm)から肉眼で見た対象物を「1倍」と定義し、その何倍に見えるかが虫眼鏡(顕微鏡も)の倍率

なるほどー、そうだったのか!って、この点ではスッキリしたのですが・・・・・

虫眼鏡で2

でもさー、対象物に対して虫眼鏡をどこに構えるか、それをどこから見るか(目の位置)によっても、当然見え方(倍率)は変わってくると思うけど、この基準は何なの?って。

虫眼鏡の焦点の位置に対象物を置くのがレンズの正しい使い方? 間違ってる?

実際、レンズって言うと、大切なのは焦点距離だけみたいな感覚があった(なんでもかんでも焦点距離を基準に考える)ので、焦点距離の位置に対象物を置いた時、一番拡大されて見えるのかなって漠然とイメージしていました。

なにしろ冒頭に書いた通り、「焦点を通ってレンズに入った光線は、レンズの光軸と平行に進む」わけですから、何となくそれが正しいのかなって、この年まで確かめもせずに生きてきました。

ところが、実際にやってみれば直ぐに分かることですが、これは全然正しくありませんでした。虫眼鏡の焦点の位置に対象物を置いて見ると、ぼやけてしまいます。

前回、老眼鏡の話をしましたが、例えば+1.0の老眼鏡の焦点距離は1mな訳です。それを上の考え方でいくと、1mのところに新聞を構えた時に一番スッキリ見えるなんて、有り得ない話ですよね。

じゃあ、どこなんだ? ってのが、このレンズシリーズを通しての疑問だったわけですが、前回の最後に書いたとおり、天から答えが降ってきました。

答えの糸口は、自分で何度も書いていた「明視距離に対して、水晶体の屈折率の不足分を老眼鏡(レンズ)の屈折率で補って上げる(足してあげる)」ということにありました。

犬にメガネ

焦点位置に対象物がくるように、水晶体の屈折率にレンズの屈折率を足してあげる

人の目には(犬の眼にも)そもそも水晶体というレンズが存在している訳で、この自分の眼のレンズ(の屈折率)と、メガネや虫眼鏡のレンズ(の屈折率)とが足された結果が、見える像になるんです。

何が言いたいかというと、老眼鏡と同じ考え方をすればいいってこと。

老眼鏡の場合は、明視距離の25cmに合うように屈折率をプラスして上げているのですが、これを例えば20cmの距離にある万華鏡のオブジェクトをスッキリ見えるようにするには、その20cmの距離に合うように屈折率をプラスしてあげればいんです。

正常眼の人の明視距離を25cmとすると、その人の眼の屈折率(調節能力)は4D(1/0.25m)となります。

これが、20cmのところに焦点を合わせようとすると5D(1/0.2m)の屈折率が必要となり、正常眼の人にとって1D分(5D-4D)の屈折率が不足しています。

従って、屈折率1Dのレンズを入れてあげればいい、すなわち+1.0の老眼鏡のレンズを使えばいいことになります。

いやいや、もの凄く明快な解ではないですか。

例えば鏡胴(ミラー)の長さが10cmの万華鏡を作ろうとすると、10cmのところに焦点を合わすレンズの屈折率は10D(1/0.1m)となります。

この万華鏡を正常眼の人がスッキリと見るためには、明視距離25cmの屈折率4Dに対して6D分の屈折率が不足していることになります(10D-4D)。

ということで、長さ10cmの万華鏡を作るためには6Dのレンズを使う必要がありますが、残念ながらダイソーに売っている老眼鏡は5D(度数:+5)までしかありません。

逆に5Dのレンズで作ることの出来る万華鏡の(ミラーの)長さは、[100cm÷(5+4)≒11cm]となります。

「焦点の位置に対象物を置く」というのは正しい考え方だったんだ!

ところで、「対象物をレンズを通してスッキリと見るためには、その対象物をレンズの焦点上に置く」というのは間違いだったと先に書きましたが、あながち間違ってはいなかったようです。

間違っていたのは、その “レンズ” が虫眼鏡や老眼鏡のレンズ “単体” ではなく、眼の水晶体が形成するレンズと組み合わせた上で、その「合体レンズ」の焦点上に置けば良かったんです。

この事は、最初の方で疑問として挙げている「対象物に対して虫眼鏡をどこに構えるか」という疑問にも答えてくれます。

例えば、倍率3倍の虫眼鏡の焦点距離は、[(25cm÷虫眼鏡の焦点距離)+1=3]から、12.5cmと計算されます。

この焦点距離12.5cmのレンズの屈折率は8D(1/0.125)。正常眼の人がこの虫眼鏡を使おうとすると、合算の屈折率は12D(8D+4D)となり、その焦点距離は8.3cm(1/0.083=12)です。

従って対象物から8.3cmのところに虫眼鏡を構えて覗き込めば、対象物がぼやけることなく最大の拡大率で見ることが出来る訳です。

逆に言うと、若くて水晶体の調節能力が高く、例えば6D(約17cmまで近づいて見ることが出来る)の調節能力がある人は、合算の屈折率が14Dとなり、虫眼鏡を構える位置は7.1cm(1/0.071=14)が最適となります。

この考え方を更に進めていった先で、なんかもの凄い発見をしてしまいました。

ってことで、レンズの話は第5回目へと突入します。


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