荒川 弘 著 『銀の匙』第12巻 -- あの山越えたら何がある?

荒川 弘 著 『銀の匙』、面白いなあ。単行本が出るのを毎回楽しみにしていますが、今回も発売されたばかりの第12巻を息子が買ってきたので、さっそく拝借して読みました。

銀の匙12巻農業とは全く縁のないサラリーマン家庭に育った八軒勇吾が、北海道の大蝦夷農業高校(エゾノー)に入学するところから始まる学園マンガです。

今回は3回目の紹介になりますが、最初に紹介したときには、作中に出てくる食べ物(or 食材)が「もの凄く美味しそう!」って感じられるのが、個人的にはポイント高いなーって話を。

2回目の紹介は、第11巻の中でヒロインの御影アキが言ったこんな言葉に触発されて書きました。

「なんかね、今は無理でも、
      これもそのうち跳べるようになると思うんだ」

今は無理だけど、成長していけば跳べるようになる日が「いつか必ず」来る、って。

第11巻の大きなテーマが「成長」だとすると、第12巻のテーマは「夢」なのかもしれません。

あの山越えたら何があると思う?

八軒は学生起業を画策している真っ最中。そんな八軒のことを、友人の駒場一郎(いっちゃん)とアキが(山に囲まれた牧場で)話すシーンがあります。

「次から次へと未知の世界に踏み込んでって怖くねーのか」って、いっちゃんの呟きに対して、アキがこんなことを言います。

「いっちゃんさ、あの山越えたら何があると思う?」

「・・・・・山だべ」

「私ねぇ、小さいころ あの山越えたら大都会があると思ってたんだよ! ギラギラの!

で、お小遣い握りしめて一人でてっぺんまで登ったことがあるの。
当然、山越えても次の山があるだけで、がっかりして帰ってきて親にこっぴどく叱られて。

んで、今度はこっちの山に登って、またその先が山でがっかりして。
さらに次はあっちの山で・・・・・

そんな事くり返してるうちに、『どうせどの山もむこう側に何も無いんだろう』って・・・・・

いつの間にか山のむこうに何があるか自分の目で確かめなくなっちゃったよね

なるほどなー、そうだよなー、って。

人の夢を否定しない人間に、俺はなりたい

いつの間にか、すべてを悟ったような気になって、自分で登ることをしないばかりか、人にも「山の向こうには、同じような山しかないから無駄だよ」って引き止めて。

自分の足で登ってみて初めて見える景色があるのも事実だし、一方で山の向こうにある景色を(敢えて)見ることなく生きる人生もあるでしょう。

それはその人の価値観なんで。

本巻の中で八軒はこんな言葉を発します。

「人の夢を否定しない人間に、俺はなりたい」

自分の夢を人に語るのって、なんかこっ恥ずかしいですよね。「夢なんか持ってるんだ」ってからかわれたり、「夢なんて実現しないよ」って否定されるのが、本能的に(経験的に?)分かってるからなのかもしれません。

私自身、ここ数カ月、いろんな友人知人に自分の「夢」を話す場面をたくさん持ちましたが、想像以上というか、感覚的には9割の人の第一声は「否定」でした。

言葉にしてみると、「こんなのダメだよ!」ってのが多かったかな。

「夢」とは未来に向けての “展望” だと思うので、「今はこれ」だけど、「将来的にはこんなのを目指して」という話をしている積りなんだけど、みんな簡単に「こんなのダメだよ!」って言うんだなー。

自分の中にも人の夢に対して、そんな言葉を発してしまうような気持ちがあるのは分かっているので、まあお互い様だしねって感覚もありで、特に気にはならないけれど。

でもやっぱり、できれば人の夢を “後押し” できるような人でありたいなって思います。

八軒の言葉を借りて言うと、

人の夢を否定せず、人の夢を後押しできる人間に、私はなりたい

なんてね。


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